2017年のmusipl.comでのアクセス数上位20記事はこちら!

 
1位 緑黄色社会
『またね』
 この緑黄色社会というバンドはかつてバンドメンバーが全員映った白黒のビデオを数曲アップしていた。それが今の礎になっているのだろうとは思うが、今見なおすと焦点が定まっていない。バンドがバンドとして仲良く進んでいこうという時代の表現だったのだろう。だが昨年12月に公開されたこの曲ではボーカルの長屋晴子がただただ歌うシーンが… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 スピッツ
『ヘビーメロウ』
 朝の華やかな情報番組にどことなく似つかわしくないスピッツのこの「ヘビーメロウ」。曲調は軽やかながらも、フレーズの要所がもうこんがらがっていて、途中の三輪テツヤのギターソロまで、含み笑いの彼らの反骨精神が見えて心地良くなる。移り変わりの早いこのシーンのなかで30周年のアニバーサリーを迎えるというのに… (レビュアー:松浦 達)
 

 
3位 LONGMAN
『Back Home』
 メロディックパンクバンドというものが独特の世界を持ったジャンルだということはもちろんのことで、不用意なことを言うといろいろな方面からバッシングが飛んでくる可能性があるので少々怖いのだけれども、敢えていろいろ言おう、頑張って。メロディックパンクのバンドには結構コワモテのバンドが多くて、時としてコワモテ競争みたいな… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 Split end
『ロストシー』
 サビのフレーズが繰り返し繰り返し。繰り返されることでイメージが膨らみつつ同時に固定する。この曲がヒットするかどうかは別としても、ヒットするには欠かせない要素をちゃんと持っているなあと感じる。歌には意味を込めることは出来るが、じゃあ意味が必須かというとそうでもなくて、この曲では歌の意味よりも言葉の響きの印象の方に圧倒的に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 Elomaticmill
『Satellite』
 この感触はなんか記憶にあるぞ、何だろう、何だろうと思ったらジュディマリだったです。声似てるし。初期のジュディマリ(インディー時代は除く)はせいぜいこの程度のシンプルなロックよりなポップで、そういうシンプルなものに心をときめかせたんじゃなかったかと思う。それが今よりも多少ゆったりとした時代の故なのかはもはやよく… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 高橋優
『素晴らしき日常』
 高橋優のメガネルックスがシンガーにとってプラスになるのかマイナスになるのかなんて下卑なことをついつい思って以来もう6年。現状から結論すれば、マイナスになんてまったくなりませんでした。それはやはり歌の良さが何より重要ということの証なのかもしれません。この人の歌を批判を恐れずに要約してしまうと、「自分に正直にあれ、そして… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 ザ・ラヂオカセッツ
『東京』
 東京というタイトルの歌はたくさんあって、そのいずれもが地方出身者が見た東京の幻影のようなものであるように感じている。東京出身者の友人に言わせれば、盆正月に帰る場所がある人の東京と自分にとっての東京は違うらしく、だったら東京出身者による東京の歌があってもいいと思うが、現実にはそのほとんどが地方出身者が見る東京の歌ばかり… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 エレファントカシマシ
『RAINBOW』
 初期のピリピリとしたライヴのときの彼らを知っている人から、宮本氏が頭をかきむしりながらとりとめなく話すさまがTVの音楽番組で見られるようになった頃、実験と模索を繰り返し進んでゆく在り方、そして、2015年の『RAINBOW』は見事に過去と今の、エレファントカシマシを未来に向けて投げかける内容で、特に、表題曲「RAINBOW」の… (レビュアー:松浦 達)
 

 
9位 黒沢健一
『So What?』
 無邪気に、軽やかにスイングするロックンロールに持ち上げられることは日々、あると思う。そういう意味では、過去に於いて、もしも、L⇔Rからその後の数多くの名義での活躍も知っている人以外にも、現在の彼の拓けた姿やシンプルにバンド・サウンドを追求する中で伸びやかに歌うさまはなおさら、届く気がしてならない。メロディー・メイカーと… (レビュアー:松浦 達)
 

 
10位 Saucy Dog
『wake』
 どこかで聴いたことがあるような気もするが、じゃあ誰でも奏でることが出来るのかというとそうじゃないだろう。それはどんな音楽なのかというと、普通にポップでロックでありながら、湿度を適度に保った、そんな曲。最近はこの世代のロックバンドも本当にたくさん出て来ていて、ほぼすべてが筍の背比べ、団子レース状態でそこから頭ひとつ、… (レビュアー:大島栄二)
 

 
11位 NoDec
『サイダー』
 京都の高校生バンド。こういうのを見ると微笑ましく感じてしまう。見栄えもいかにも高校生という感じで、やはり微笑ましい。だがここからどう変わっていくのか。そこにこそ実際は注目したい。音楽は突き詰めていえば表に出てきた作品だけで判断するという観点も在って良くて、その観点からいえばここからどう変わっていくのかということによって… (レビュアー:大島栄二)
 

 
12位 エレファントカシマシ
『悲しみの果て』
 3年前のあの日、僕は下北沢で揺れを感じ、停まった電車を諦めて8.5km先の家に向かって歩き始めました。ただ家族のことだけが気がかりで、奥さんに電話をするもつながらず。ただひたすらに歩き、電話をかけ続けたのを思い出します。時間が経過しようやくつながり、家具は倒れたものの怪我も無いと聞き、ホッとしながら夕食のことを考え始めました… (レビュアー:大島栄二)
 

 
13位 secondrate
『回想電車』
 普通に泣く。泣くよな。別れることになった彼女を駅まで送っていってそこでお別れで、別れを惜しみ哀しむ男の側の歌。なんでこんなことになったんだろうと苦しい胸の内を吐露する男。でも歌詞をよく読むとこんなことになったのは男の側の優柔不断というか、自分勝手なポイントがそこここに滲み出ている。2番では同じ別れのシーンを女性の側から… (レビュアー:大島栄二)
 

 
14位 のん
『スーパーヒーローになりたい』
 驚いたというか感心したというか、歌っても能年礼奈は能年礼奈なんだな(いや、のんですけど)ということ。歌声に訛りがある。彼女を知ったのは岩手出身の役のドラマで(多分みんなもそうでしょう)、本人は兵庫出身なのに岩手の言葉がこの人の言葉だと思うくらいに訛った演技がしっくりときてて。でも歌ったら別に岩手の方言関係ないでしょうと… (文:大島栄二)
 

 
15位 音楽を楽しむ能力
 音楽を楽しむために必要なスキルを身に付ける方法ときっかけ
 音楽を楽しむというのは、実はとても能力の要ることだ。能力が無ければ音楽を楽しむことは出来ない。そのスキルを人はどこで獲得するのだろうか… (文:大島栄二)
 

 
16位 CORNELIUS
『あなたがいるなら』
 コーネリアスこと、小山田圭吾が「うた」うだけで、ここまで胸の奥に響く何かがあるのは何なのだろう。音響美の細片への零落と映像の共振率を高めてゆくほどに彼はどんどん寡黙にときに「あ。」しか発しなくなくなり、または客演の歌手にうたを任せたりしながら、世界の中で受け入れられるオルタナティヴで先鋭的かつポップな日本人アーティストの… (レビュアー:松浦 達)
 

 
17位 GLIM SPANKY
『velvet theater』
 声が渋い。サウンドも渋い。大陸的な、異国の光景が頭に浮かんで広がるような独特の雰囲気を放っています。ボーカルのある歌モノではあるけれども、歌よりサウンドが重要な、そして声さえもサウンドのひとつであるかのような、これぞロックだなあという、そんなバンドです。爆音で鳴らしながら聴きたいし、その爆音の中でトリップ出来そうですね… (レビュアー:大島栄二)
 

 
18位 w-inds.
『We Don't Need To Talk Anymore』
 w-inds.のことなんてずいぶん見てなかったなあと思ってたけど、みんな大人になっちゃってて。流行ってた頃に較べるとみんな顔が縦に長くなっちゃってて。うん、子供から大人に身体も成長したということですよね多分。そんなw-inds.の曲を超久々に見て聴いて、なんという変化というか進化というか、日本の一般的音楽ファンなんて最初から… (レビュアー:大島栄二)
 

 
19位 Self-Portrait
『ライブハウスで逢えたら』
 バンドマンが「ライブハウスで逢えたら」と歌うのはやわらかなお誘いだし、たった数分で起こせる奇跡というのもバンドマンが思っている自己の拡大解釈のようなものなので、そういう意味ではこの曲は音楽関係者としてちょっとだけこそばゆい気もしないではないが、ではバンドマン自身が「ライブハウスで僕らが歌っても、誰の心も照らせないよね」… (レビュアー:大島栄二)
 

 
20位 「DÉ DÉ MOUSE『dream you up』によせて」
   〜ファンタジーもロマンティシズムも越えた気まぐれに〜
 この春に、デデマウスの6枚目となる美麗な新作が届くというだけで躍動する方も多いのではないか、と思う。花見、ディズニーもUSJもハロウィーンもファンタジーじゃない「何か」になった瀬に、デデマウスは今でも時おりの行進のち、「更新」しつづける音像がある。それは記憶のなかでエイフェックス・ツインやオウテカ、ワープ・レーベルの… (文:松浦 達)
 

 
次点 The Whoops
『恋をしようよ』
 何故だか、本当に何故だかわからないんだけれども、イイぞ。響いてくるぞ。誰だこいつら、なんかこの黒ブチ眼鏡のボーカル見たことあるな、と思ったら1年ほど前にレビューしてたw。その時も「どこが良いんだろうと考えてみても考えてみても考えてみればみるほどよくわからなくなる」と書いていたw。本当にそうなんだな、こういうバンドって… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

 毎月のアクセスランキングではレビューページに限定したランキングを発表しているのですが、年間アクセスランキングでは記事ページも併せた総合ランキングです。

1位 緑黄色社会『またね』:1月にレビューを公開した緑黄色社会が堂々のアクセス年間1位でした。当時バンドとしての方向性がどう定まっていくのか揺れていたけれどもこのMVで定まったのじゃないかなあと評してましたが、その後どうだったのでしょうか。このMVは100万回以上の再生をされていて、注目が集まってきたにもかかわらずその後MV公開が連発されるということもなく。で、彼らの1stフルアルバムのリリースが先頃決定したとのこと。ビジネスとしてはもっと速い展開をしてほしい向きはあったでしょうけど、その中でじっくり活動を重ねてきたということなのでしょうか。アルバムの出来はいかほどでしょうか。期待したいと思います。

2位 スピッツ『ヘビーメロウ』:レビュアーの松浦さんとスピッツといえば相性もいいのか、多くの人たちに見ていただき年間2位に。それにしてもスピッツの活動もコンスタントに続きますよね。最近はベテランバンドも歩調を緩やかにすることなく頑張ってますから、ホントすごいと思います。

3位 LONGMAN『Back Home』:個人的にも自分レビュー2017年の5本の指に入るくらいに好きな曲、LONGMANのこれが第3位に。嬉しいなあ。音楽にはいろいろな要素や効果があるので、当然いろいろな音楽があっていいんですけど、この曲のようにシンプルに前に向ける、顔を上に上げさせてくれるようなパワーを持っている曲は素敵だと思うわけですよ。皆さんも彼らの曲、深堀りしてCD買ったりいろいろしてほしいと思います。

4位 Split end『ロストシー』:2016年のレビューだったこの曲が、2016年には特にランクインすることなかったのに、2017年になって突然ランクイン。過去レビューの紹介ツイートで紹介された訳でもないのに、不思議なことです。どこからか検索などで発見されて広がったのでしょうか、本当のところはまったくわかりませんけど、良い曲です。

5位 Elomaticmill『Satellite』:レビューした時にはもう活動をしていなくて、残っているTwitterアカウントもfacebookアカウントも更新は止まってて、そこにあるHPは既に存在していない。そんなバンドの曲が年間の5位に入るとは、興味深いものです。Twitterなどの反応を見てみると、彼らのことを本当に愛していたファンの、単なるリツイートではなくてリプライが何件も来て、レビュー公開後長いこと毎日コンスタントにアクセスが集まっていました。こんな熱心なファンが今もいるのだから、活動再開すればいいのにとは思うのですが、そう簡単にはいかないのでしょうね。

6位 高橋優『素晴らしき日常』:musiplでは有名無名に関係なく良い歌を紹介する訳ですが、この高橋優は有名アーチスト枠の紹介レビュー。レビュー公開当時にものすごく熱心なファンの皆様がアクセスして、リツイートして、それがどんどん広がって、長いことデイリーランキングの1位でした。人気があるってこういうことだなあと本当に感心しました。

13位 secondrate『回想電車』:レビューの中で、別れを男の側から見たこの曲に対して「この男の優柔不断さ、身勝手さはなんなんだ」と少しばかりdisって、もしかしたら非難や反論が来るかなあとびくびくしてましたが、アーチストご本人も「なるほど面白い視点」などと言ってくれて、ちょっとホッとしたのを思い出します。レビュー公開のツイートをリツイートして、その結果デイリーランキングで上位に入ってまたリツイートして、その繰り返しで長いことアクセスを続けてもらいました。

15位 【音楽を楽しむ能力 音楽を楽しむために必要なスキルを身に付ける方法ときっかけ】:2014年の記事がしぶとく再浮上してランクイン。とても嬉しいです。ここに書いていることって、musiplをやってる意味でもあるし、音楽を送り手と受け手が一緒になって大切にしていくためのヒントみたいなものなので、2018年も是非また見てほしいものです。

19位 Self-Portrait『ライブハウスで逢えたら』:バンドマンが「ライブハウスに来いよ」とアピールする歌だと思ってて、ライブハウスというものをよく知っている立場としては少々こそばゆい感じもするんですけど、こういう「ライブハウスっていいゼ」というプレゼンをバンドがやるというのは大切なことなのかもしれません。そしてこういう曲が年間ランクに入ってくるのも、とても良かったなあと思います。

 そういうわけで2018年も始まっていますが、2013年にmusiplを初めて今年8月で5年です。いや〜、あっという間ですね。だからといってイベントとかすることなく、淡々と日々のレビューを続けて行きますが、みなさんもお忙しい中だとは思いますが、ちょくちょく見にきてください。そのアクセスが各アーチストも音楽界もmusiplも支えることになったりしますので是非よろしく。それに、いろいろな音楽に出会えるので、見に来ていただくあなたにとって一番お得だと思う訳なのです。

(大島栄二)