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1位 |
The Birthday
『夢とバッハとカフェインと』 |
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荒んだ大気の秋空鑑賞がてら、そのなかにトンボを追いかける色んな国籍の子たちが小さな公園に居て、時代などなにも変わっていない。スーパーマーケットのカナダ産の松茸を一瞥もせずにしめじ、えのき、もやしなどに目を配す生活戦士たちの隣席には高いコンドミニアムが建っている。日常が手一杯で、アメリカの大統領選の結果でどうなるのか、みたいなことを喫茶店で交わしながら、すぐ隣では饒舌に勧誘をしている… (レビュアー:松浦 達) |
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2位 |
the peggies
『LOVE TRIP』 |
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the peggiesはこのMVの全編でバンドであるというスタイルから自由になり、本来持っているはじけるような魅力を見せつけることに成功しているといえよう。MVの演出でそういう表現にシフトできる背景にはもちろん本人たちのこだわりからの解放があるはずで、それは新譜に見られる音楽の作られ方や、今後のライブパフォーマンスにも現れていくのだろう。今後のブレイクが楽しみなバンドである。MVの最後に… (レビュアー:大島栄二) |
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バンドは成長するものだなあと思わされる。成長が必ずしもすべての人への魅力につながるのかというとそうじゃなくて、まだ原石のような頃には全方位的に光る可能性を秘めていて、だからある意味すべての人に期待をさせることが出来る。けれど成長するということは自分の可能性のもっとも優れたところを見極めてそこに集中して磨きをかけるということであり、それ故に集中して磨きをかける部分以外に期待をしていた人に… (レビュアー:大島栄二) |
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バンドマンが白の背景をバックに演奏をするMV。だがそこは白い壁紙の白いフローリングの部屋で、部屋の角や床との境目がはっきりと見える。プロの場合大きなスタジオを使ったりメチャ広い紙のロールをひろげて撮影したりするわけで、そういうやり方では絶対に出てこない境目が出てくるあたりがアマチュア制作のMVだなあと思う。いやいやアマチュアにプロのクオリティを求めるなよ、壁の境目の陰影とかどうでも… (レビュアー:大島栄二) |
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5位 |
Why not nil?
『My Favorite Songs (feat. 太田ひな)』 |
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洒脱でジャジーな展開と、エレクトロニクスの絶妙な組み入り方。フィーチャーされている太田ひなのアンニュイでどこか儚いボーカル、含みのある歌詞まで、例えば、ある夜に流星を探すために双眼鏡を持っていたら、となりに知っていた人が居たような気まずさのような何かまでナイト・ドライヴィング、その後の夜の恋人のために殉じたようなラブソングであり、同時に、聴き流させないこのスムースさの高度な演出が気に… (レビュアー:松浦 達) |
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鈴木実貴子ズのこの秋に公開されたこの動画を見て、泣けてきた。冒頭から小さな心がさらけ出されている。妬みや弱さが敵でもない何かを勝手に敵にして、自分の生き方を狭いところに追いやっていく、そんな様が描かれている。ああ、これは、僕だ。そう思った。いや、きっとみんなそうだろう。人間が神様でない以上、つまらないことにこだわって自分の首を絞めるのは誰にも共通する弱い何かで。みんな弱いんだと勝手に… (レビュアー:大島栄二) |
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イントロだけでもうサカナクションだと判る。この低音のビート。かなり金属的なベース音。それにカラフルなサウンドが絡みつく。金属音的だから低いのに甲高い。そんなんが出だしからドンドンドンドコと鳴るのはもうサカナクション。こういうサウンドってサカナクションのようなある程度売れた境遇で自由に音作りを出来るから到達するのかというと、答えは否。誰もが使える機材で多分出来るはずなのに、こんな音を… (レビュアー:大島栄二) |
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ポップですな。キュートな女性ボーカルが歌い踊ってポップなメロディに乗って昨今の世情とも絡めた歌詞がさほど重くもなく流れていって、本当に間口の広いポップな曲だしビデオだしバンドだと思います。で、こういうのを見たらどこかのプロデューサー様がうまく集めて作り上げたのかなとかオッサンは邪推してしまいますが、ググっていくとそんな簡単な話でもなさそうで、その前のビデオはこんなに… (レビュアー:大島栄二) |
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ロックとは何かと常に考えている。それが音楽ジャンルではなく生き様だという意味はもちろんだが、単なる音楽ジャンルとしてのロックも、常につかみどころの無い得体の知れないものとして僕らの前に横たわっている。この曲もそんな横たわるロックのひとつだ。THE NOVEMBERSの曲は以前にも紹介したが、その時の『今日も生きたね』という曲は静かに哀しみ深く、しかしながら暗い平安を感じさせる不思議なもので… (レビュアー:大島栄二) |
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静かに淡々と歌っている。日々ロックバンドの情熱を振りまく歌に接していると、こうして淡々とした歌が新鮮に聴こえる。だが淡々と歌っているだけで内容としてはけっこう毒を含んだものを歌っている。こういうの、好きだ。表現には人間っぽい毒や暗さを含んでなければ薄っぺらくなる。いくら美しくても、薄っぺらいものはつまらない、と思う。この小林さん、アニメの曲なども多数歌ってるようで、その界隈では… (レビュアー:大島栄二) |
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一体何歳なんだろうかこの人たちは。他人のルックスをどうこう言えるほどの資格はないけれど、もうちょっと手を入れればある種の見栄えの良さくらいは得られるのではないかと思うのだが、そういうことを善しとはしないのだろう。これが彼らのアイデンティティなのだろう。それを裏付けるように曲中で彼らのドアップが映される。これは画面の中にこれが詰まるように意図して映されている。このルックスは、彼らの売りなの… (レビュアー:大島栄二) |
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1位 The Birthday『夢とバッハとカフェインと』:チバユウスケのゴリゴリなぶっとい音が印象的でした。初めて見たのは下北沢屋根裏、まだインディーズ時代のミッシェルでした。楽屋でいろいろ話をしたことを思い出します。いや、向こうは絶対覚えてないと思いますけどね。
2位 the peggies『LOVE TRIP』:ポップであれロックであれ、キュートさというのは大きな武器になるわけで、そのキュートさというのが昨今溢れかえっているアイドルグループの発している何かとはまた別に存在するんだということがよくわかるMVだと思います。the peggies、ホントにキュートだよなあとあらためて思いますよ。
3位 DIALUCK『セーシュン』:しばらく見てなかった間にダイアラック立派になっちゃってという驚きを持ってレビューしました。レビューをして、そのレビューへの感想を彼女たちのツイッター上で目撃するという、このパラレルなエアリプライぶりがなんか面白かったです。切ない歌を歌わせたら絶品だなと再確認できてよかったです。
4位 ハッピーエンド『恋』:新潟の地方在住バンドのMVは手作り感があって、その手作り感に熱気が感じられて、とてもよかったです。楽曲って機材の進歩でその手作り感がどんどんと削られていく昨今、こういう手作り感が滲み出るという点で、やはりMVっていいものだと思います。頑張れーって応援したくなっちゃいます。そうでしょ?
7位 サカナクション『多分、風。』:「イモ欽トリオみたいだ」なんて言っちゃって罵倒の嵐が飛んでくるかと思ってたら、いろいろなインタビューで山口一郎自身が「80年代の歌謡曲を研究し尽くした」と言ってたらしく、おお、じゃあ僕のこの曲への感じ方は間違っちゃいなかったんだなと、妙な感じで自信を深めた1曲でした。。
10位 THE NOVEMBERS『1000年』:musiplの1000本目のレビューはどの曲をセレクトしようかと考えてて、11月だし1000本目だし、これが良いかなと思った(安易!)わけですが、サウンドが轟音で、どちらかというとシティポップなんかが多い傾向にあるこのサイトとしては少しばかり違和感ありましたかね?? でも、僕自身は轟音ロックバンド大好きだし、この曲は本当にいいよなあと思ったりしているわけです。THE NOVEMBERSはもっと切ない曲とかもあるし、みんな聴いてください♬。
1000レビュー達成ということで、Twitterでは「記憶に残るレビュー」というツイートをたくさんしています。それがきっかけなのか、昔の曲が多数ランクインしていますね。6位 鈴木実貴子ズ『都心環状線』、8位 イエスマン『Googleダンス』、10位 小林未郁『僕のお葬式』、次点 シャイガンティ『得てして』などはみんなそうです。
みんな良い曲ばかりです。ただ、それ以外にも良い曲はたくさんあったわけで、そういう中でこの4曲が上位にランクインしているのは、やはり本人やファンが検索などをマメにやってて、チェックしてちゃんと気付いているからだろうと思うのです。そういう地味で細かな作業がこういうところでのランクインにつながることを考えると、まあmusiplにはそれほどの影響力はないかもしれませんが、もっと大きな影響力のあるところでのそういう取り上げにも見逃さずに気付けるだろうし、そこからまた広がるきっかけを得るのだろうと思います。
musiplはそういう「自分のチャンスを見逃さず、無駄にしない」人にとっての何らかの使える場所であればと願っています。そしてそういう積極的にチャンスを探っている人が将来伸びていくのだろうし、伸びていく人を多くの音楽ファンがチェックできる、そういう場でありたいと願っています。
(大島栄二) |
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