竹内まりや『SPECIAL DELIVERY』
ココロオークション『蝉時雨』
シャイガンティ
『得てして』
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一体何歳なんだろうかこの人たちは。他人のルックスをどうこう言えるほどの資格はないけれど、もうちょっと手を入れればある種の見栄えの良さくらいは得られるのではないかと思うのだが、そういうことを善しとはしないのだろう。これが彼らのアイデンティティなのだろう。それを裏付けるように曲中で彼らのドアップが映される。これは画面の中にこれが詰まるように意図して映されている。このルックスは、彼らの売りなのだ。1曲のつながったビデオだが、メンバーの立ち位置を変え、カメラの位置を変え、何度も何度も繰り返して撮影されている。空の曇り具合がどんどん変わっていることがその証拠。このルックスを強調しようとしている。興味深い。その武骨ぶりをどうアピールするのか、プロモーションとしてそれが合っているのか間違っているのかはよくわからないけれども、見ていて彼らのインパクトは伝わってくる。タイトルの「得てして」という言葉が繰り返されて印象には残るのだが、得てしてどうなのかということについてまでは染み入ってはこない。考えるに、彼らは言葉を伝えるタイプのバンドではなく、パワフルなインパクトをぶつけてくることを主眼とした表現者なのだろう。この歌はバラードのようにゆったりとしていて、だからパンクミュージックとは言い難いかもしれないが、静かに暴れるパンクミュージックなのだと僕には感じられる。パンクとは、衝動をどう爆発させるかという表現であり、この静かな表現がズシリズシリとみぞおちの辺りに圧力を加えてくることが、パンクであることの証なのだ。
(2015.5.25)
(レビュアー:大島栄二)
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