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コワい。いや、カッコいい。このシャウトの仕方が、本当にシャウトというか、吠えているというか、悪態をついているというか、かなり独特で耳からなかなか離れてくれそうもない。これだけ吠えまくりなのにしっかりと音楽になっていて、とても面白い。ロックバンドの人は楽譜なんて読めなくて当たり前とか、いやいや楽譜も読めなくて音楽が出来るかとか、もはやそんな論争など意味不明なくらいに… (レビュアー:大島栄二) |
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高校生がパンクロックをやるとこうも初期衝動がストレートに出てくるものなのだろうか。自分が高校生の頃のことを思い出してみるともっともっと狭い世界で蠢いていたような気がする。インターネットも携帯電話も無かった時代と比較してももはや意味など無いのかもしれないが、世界に開かれているようでいて教室とネットの闇に幽閉されたような気持ちは今も昔もそれほど変わらないのかもしれないし… (レビュアー:大島栄二) |
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3位 |
THE BUNNIES
『Darkness』 |
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カッコいい。たたずまいがとてもカッコいい。若いミュージシャンが自分たちの夢を叶えるために頑張るという架空のサクセスストーリーに向かって努力する姿はそれなりに美しいけれど、それとはまた違った形で、ただ変わらないというたたずまいを獲得するというのもひとつのサクセスストーリーとして存在していいと強く実感する。NHKでバトルをするオヤジバンドとは一味違ったTHE BUNNIESの活動は彼女たちのHP… (レビュアー:大島栄二) |
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初恋の嵐のこの曲を、僕は運転中にカーステレオのラジオから流れてくるのを聴いた。深夜の暑い夏。暗い千葉の道路の上で理由も無く涙が溢れた。なにかそういう僕の事情があったのか、それともこの曲の優れた力なのか。それはもう今となっては判らない。もし今これを初めて聴いたとしたら、涙は溢れるのだろうか。その感性は残っているのだろうか。自分自身の年齢と、時代の変化はやはり残酷で… (レビュアー:大島栄二) |
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ただの空気の振動なのに、どうにも触れたら心が切れてしまうような音。瞬間に、彼らの青さを抜けたようで、その藻掻きの中で諦観するような情熱の消失点が不意に見えるところが美しい。初期のころから彼らを知っていたが、作品、ライヴを重ねるごとに“野放図なスタイリッシュさ”といえばいいのか、研ぎ澄まされていった。東京を中心にした、ある種のインディー・ロック・シーンのネクスト・カミングとして… (レビュアー:松浦 達) |
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6位 |
mitoaoto_
『melt away with rain』 |
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悲しみの感情をもっともよく表現するのはピアノの音なんじゃないだろうかと思い込んでしまいたくなるような曲。歌が無ければアンビエントミュージックとして成立するだろう静寂のサウンドに、Naoの硬い空気を切り裂くようなボーカルが載ることで、不安感は増しているのではないだろうか。このバンドはCRACK IS ARTという芸術集団の音楽部門という少しばかりややこしい位置付けなのだそうだが、音楽そのものはそんなに… (レビュアー:大島栄二) |
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ギターの音がとにかく美しい。歌やベースやドラムが良いとか悪いとかではまったくなくて、とにかくギターが美しいのだ。もちろんこれは僕1人の個人的な好き嫌いなのだが、きっと共感してくれる人は少なくないんじゃないだろうか。楽曲のテイストはかなりポップでやわらかなのだが、このギターにパンチがあるから、ロックやファンクの色合いが強烈に醸し出され、俄然カオスになってくる。映像を見ると… (レビュアー:大島栄二) |
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ロックやパンクっていうのはスタイルではなくて、その中に在るモヤモヤとした心模様のことなんだろうと思う。かつて古館伊知郎に「インディーズってなんですか?」と問われたブルーハーツのヒロトは「インド人のことはよう分からん」と切り返したが、あれは謂れの無い型に押し込まれることを本能的に嫌ったヒロトの心のモヤモヤだったと理解している。型にはまるのは簡単で楽なことで、そこからはみ出ることは… (レビュアー:大島栄二) |
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9位 |
コアラモード
『Hello Hello Hello』 |
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この軽快なポップチューンは一体なんなんでしょうか。あんにゅさんのボーカルも可愛くてステキだし、完成度がとても高くて、動画と呼べるのかどうか微妙でしたが、紹介したいというこの衝動を押さえきれません。小川美潮や矢野顕子などのハイセンスで個性豊かなボーカリストの系譜に入れてもいいのではないでしょうか。そういう系譜に入るボーカリストは往々にして特徴だけが突出して実力が伴わないものです… (レビュアー:大島栄二) |
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時代はあっという間に移り変わり、心酔していたアーティストも忘れてしまったり、かつて一世風靡した作品も中古量販店で、乱雑に束で並べられていたりする。でも、形を変え、着実に呼吸をするように生き続け、音楽に携わっている人たちは少なくない。小林建樹という名前を知っている人はいると思う。00年の美しいバラッド「祈り」は特に巷間でもヒットし、その後のソロ作品群も良質で、平原綾香に提供した「誓い」や… (レビュアー:松浦 達) |
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東京というタイトルの歌はたくさんあって、そのいずれもが地方出身者が見た東京の幻影のようなものであるように感じている。東京出身者の友人に言わせれば、盆正月に帰る場所がある人の東京と自分にとっての東京は違うらしく、だったら東京出身者による東京の歌があってもいいと思うが、現実にはそのほとんどが地方出身者が見る東京の歌ばかり。それはやはり一旦孤独になる瞬間を持ち、その孤独を東京の煌々とした… (レビュアー:大島栄二) |
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1位:ケリーマフ『イカサマ』:こんな歌い方の女性ボーカル、本当に見たことありません。カッコいいし、生で見てみたい。でも噛み付かれるんじゃないかって怖さもありますね。いや、実際にはそんなことはまず無いと思いますけど。経験上、モヒカンのパンクのミュージシャンみたいに怖そうに見える人ほど実際は礼儀正しく穏やかだったりしますから。こうやってランク1位に輝くのも、本人たちの頑張りと、それを支えようとするファンがいるからなのでしょう。
2位:絶望ルーシー『狂気のサタデイ』:先月の1位に続き、今月は2位にランクイン。勢いが続いている広島の現役高校生バンド。この夏は有名バンドたちとの対バンも次々に決まっているそうですので、お近くの方は是非どうぞ。
3位:THE BUNNIES『Darkness』:お姉様たちによるロックバンド。こういう人たちのバンド活動は多くのバンドマンのひとつの理想なのではないでしょうか。レビュー公開当日にはあまり反応無かったのですが、後日急にアクセスが増え、何故だろうと思ったらメンバーさんがツイートで紹介してくださってました。そういうことにはちゃんと反応が出るんだなあと改めて実感しました。
4位:初恋の嵐『真夏の夜の事』:ボーカルが亡くなってからもう12年も経ち、それでも色褪せないのは音楽が本物だったからなのだと思います。ちょっとノスタルジックになりながら渾身のレビューを書いてみて、たくさんの人に見てもらえたのはちょっと嬉しかったです。
8位:日本泥棒『ずっと光の中』:パンクが作品として成立するかどうかは、整然とした形の有る無しではなく、形にもならない心模様の有る無しが大きいのだと思います。そういうことを改めて感じさせてくれたこのバンドの楽曲でそれを伝えようと思いました。伝わったのかどうなのか。少なくとも8位にランクインしたということで、多少は伝わったのかもと自分自身では納得してみます。
10位:小林建樹『Spider』:メジャーでも活躍したアーチストがそこから離れてもなお創造活動をやめようとしない。そういう活動を再定義するということもmusipl.comのひとつの役割ではないかと思っています。そういう意味でも小林建樹が8月に予定している新アルバムにも注目したいと思っていて、10位にランクインしてくれて良かったなと。
7月は全体的なアクセスは少しばかり落ち込んでしまったmusipl.com ですが、インタビューなどの特集記事も少なかったのが大きな要因で、レビューへのアクセス数は毎月増えているという感じでした。しかし各曲のアクセス数は結構僅差で、アーチスト自身がちょっと意識してプッシュすることでランキングは簡単に動く状態のです。このサイトのランキングがアーチストの命運を決するということでもないのですが、ここで上位に入るための努力が出来るアーチストは他でも頑張るでしょうし、ここで努力しないアーチストは他でも頑張れず、そういう小さな差の積み重ねが結局は大きくなっていき、いいアーチストなのに伸びきれないという結果になるんだろうと思います。そういう意味でも、ここで上位のアーチストには伸びていって欲しいなと思うし、きっとそうなっていくだろうと確信するのです。
(大島栄二) |
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