BOYS GET HURT『ELEGANCE』
テリーマンズ『Blue』
日本泥棒
『ずっと光の中』
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ロックやパンクっていうのはスタイルではなくて、その中に在るモヤモヤとした心模様のことなんだろうと思う。かつて古館伊知郎に「インディーズってなんですか?」と問われたブルーハーツのヒロトは「インド人のことはよう分からん」と切り返したが、あれは謂れの無い型に押し込まれることを本能的に嫌ったヒロトの心のモヤモヤだったと理解している。型にはまるのは簡単で楽なことで、そこからはみ出ることは実はずっと難しい。なぜなら自分の背骨で立っていなければならないからだ。この日本泥棒からデモCD-Rが送られてきて、これがとんでもなく良かった。別に超絶のテクニックがあるわけでもなく、本人曰く「楽器はマイク一本一発録りで、音質もあまり良くない」そうだが、そんなのはまったく関係なく、モヤモヤとした心模様が衒い無く存在していて、僕は一瞬にしてファンになってしまった。そのモヤモヤとした心模様というのは、具体的にいうなら世の中をきちんと見る目と、そこに感じる違和感と正面から対峙する覚悟のようなもので、ヒロトがブルハからハイロウズになりザ・クロマニヨンズになっても変わらないのはその軸があるからであり、彼の声質がウケているのではないはず。種類は違えどそういう軸を持っているバンドマンは希有であり、そういうものをこの人たちには感じるのである。(日本泥棒は現在中古U.F.O.に名前を変えたとのこと。だがこのビデオが日本泥棒名義なので、ここでは敢えて日本泥棒として紹介しています)
(2014.7.12)
(レビュアー:大島栄二)
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