2014年のmusipl.comでの上半期アクセス数上位10記事はこちら!

 
1位 排除しないこだわり
        ―GREAT3『愛の関係』によせて
 GREAT3の2012年の9年ぶりの活動再開は、ミュージック・シーンに大きなメルクマールになった。解散でもなく、活動休止期間が長くなってくると、余計な心配も生まれてしまうのは常で、特にポップ・ミュージック・シーンにおける時代の速さと活動そのものを続けることは厳しくなっている。ただ、このmusipl.で紹介されているように、数多く多彩な音楽は生まれ、引き続き航行している… (レビュアー:松浦 達)
 

 
2位 音楽で見られる夢や幻想を再定義するために
        デデマウスというアーティストの矜持
 デデマウスと筆者は同世代、簡単に言えば、同学年になる。だからなのか、通過してきたカルチャーや彼が見据える景色や言葉には共振してしまうことが多い。バブルを知らないこと、テクノ・ミュージックへの影響、ニュータウンへの視座など… (文:松浦 達)
 

 
3位 世界のんびりヴァーチャル音楽紀行(仮題)
                  第0回 台湾
 このmusiplというサイトでも多種多様な音楽が日々、紹介、レビューされていますが、そういった心持ちは保った下で、パスポートは持っていなくても、条件資格はなく、自由にアクセスして、なにか気になりましたら、さらに鉱脈を掘り下げていけば、色眼鏡を抜きに視野が変わるのではないか、という願いを大層ではなく、ささやかに込めております… (文:松浦 達)
 

 
4位 音楽を楽しむ能力
 音楽を楽しむために必要なスキルを身に付ける方法ときっかけ
 音楽を楽しむというのは、実はとても能力の要ることだ。能力が無ければ音楽を楽しむことは出来ない。そのスキルを人はどこで獲得するのだろうか… (文:大島栄二)
 

 
5位 岸田繁(くるり)×ダージリン
『橋の下』
 京都発信メディア、という訳ではなくとも、いまだにどんとの存在は大きい。彼が生前、ローザ・ルクセンブルグ、ボ・ガンボス、ときにソロとして活動を行なう軸には学生、働き人、むろん、長く生活している長き伝統と“いっとき”の通過する都市としての「京都」という象徴を通じて、または多彩なロックンロールのルーツたるミュージックから、どんな所属の人でも自在に楽しめる“ごった煮”の音楽そのものへの開放の意思が… (レビュアー:松浦 達)
 

 
6位 コアラモード
『Hello Hello Hello』
 この軽快なポップチューンは一体なんなんでしょうか。あんにゅさんのボーカルも可愛くてステキだし、完成度がとても高くて、動画と呼べるのかどうか微妙でしたが、紹介したいというこの衝動を押さえきれません。小川美潮や矢野顕子などのハイセンスで個性豊かなボーカリストの系譜に入れてもいいのではないでしょうか。そういう系譜に入るボーカリストは往々にして特徴だけが突出して実力が伴わないもので… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 STAYCOOL
『Through the Viewfinder』
 STAYCOOLというある種、ストレートなバンド名と比して、彼らは老成から始まっている。兵役を終えて、社会人としての20代半ばのメンバーたちが集まり、紡ぎ出した音楽は台湾という場を越えて、涼やかな感触をもたらせた。2013年には、日本デビュー盤として『Urban Canyon』がリリースされたのもあり、存在は日本国内でも認知され始めた。また、シティ・ポップを軸にスイートなポップを届けながら… (レビュアー:松浦 達)
 

 
8位 銀杏BOYZ
『ぽあだむ』
 この、ストーリーテリング的なMVの中盤からカット・アップされる沢山の女の子の投げキッスの画像に挟まれ、マッドチェスター的なサウンドに切ない歌詞が乗り、ダンサブルに煌めく。平面的にこの向こう側の被・視聴者たちとこちら側にいる視聴者は郵便的に、届かないもどかしさを抱えて、ソーシャル上にリビドーや複雑な感慨を表面張力のように溢れさせるのだろうか。銀杏BOYZは単発で曲は発表し… (レビュアー:松浦 達)
 

 
9位 ママレイド ラグ 田中 拡邦 インタビュー
『音楽とは僕に取って、背景に無言で流れているものなのです』
 堅実に、キャリアを重ねてきたママレイド ラグ。現在は、田中拡邦氏のソロ・プロジェクトとなっているが、このたび、6枚目となるオリジナル・アルバム『So Nice』を5月14日にリリースする。そこで、musiplとしてはいち早く彼の言葉を届けたいと思い、メール・インタビューを試みた… (文:松浦 達)
 

 
10位 絶望ルーシー
『狂気のサタデイ』
 高校生がパンクロックをやるとこうも初期衝動がストレートに出てくるものなのだろうか。自分が高校生の頃のことを思い出してみるともっともっと狭い世界で蠢いていたような気がする。インターネットも携帯電話も無かった時代と比較してももはや意味など無いのかもしれないが、世界に開かれているようでいて教室とネットの闇に幽閉されたような気持ちは今も昔もそれほど変わらないのかもしれないし、同様に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 『音楽が沈黙しない齟齬について』
  Musiplの今後の可能性によせて
 愚かな人間は沈黙しているのが最もよい。だが、もし、そのことを知ったならば、その人は愚かな人間ではない (トルストイ『断片』より)/私的に、沈黙に耳を澄ます瞬間が逓減しているように思えます。ヘッドホン、雑踏、誰かの声、家族との会話、少しの自分の時間での沈黙、そこで何を伝えようと思えるかどうか、それは日常の生活をおくるにあたりまして、ほんのささやかなプラス(+)です。/今や、政治的に黒か白か… (文:松浦 達)
 

 
編集長コメント

 毎月のアクセスランキングではレビューページに限定したランキングを発表しているのですが、2014年上半期のアクセスランキングでは記事ページも併せた総合ランキングとしての発表にしてみました。興味深い結果が出たと思います。

 アクセスが多かったのは全体的に記事ページでしたね。その中でも総合ランキング上半期1位に輝いたのがGREAT3の新譜に寄せた特集記事でした。この記事では右サイドに広告バナーが貼られ、3ヶ月にわたり表示されたこともアクセスが途切れなかった一因だったのだと思います。もちろんアーチストとしての知名度や、このmusipl.comでしか読めない記事だったというのも大きな要因ではあると思いますが。

 3位に入った『世界のんびりヴァーチャル音楽紀行』も好評でした。知られていないアーチストを紹介するというのがmusipl.comの基本コンセプトですが、この音楽紀行では海外で流行っている音楽に接することができます。日本にいるから知らないだけで、現地ではスターだったりする音楽は当然存在するわけです。そういうのを別に知らなくてもいいというのもひとつの立場でしょうが、知ることが出来ればそれもいいと思うのです。このコラム的記事は今後もシリーズ化される予定ですので、楽しみにしててください。

 レビューページにもたくさんのアクセスをいただきました。くるりや銀杏BOYSといった有名アーチストの楽曲が上位にくる中、6位のコアラモード、10位の絶望ルーシーのランクインが嬉しいところです。コアラモードはレビュー公開月だけでなくそれ以降も何度かマンスリーランキングに入ってくるというアクセス状況です。これはTwitterでランダムに過去レビューの紹介をするたびにアーチストや熱心なファンの方がリツイートなどで盛り上げてくれたことが大きいんだと思います。そういう基本的なことが出来ているバンドとそうじゃないバンドでは、小さな差がどんどん積み重なっていくのだろうなあという気がします。
 また、10位の絶望ルーシーは6月後半のレビューであり、それが上半期のランクインですから、仮に1月の紹介だったらもっともっと上位に入っていたかもしれないなあとはちょっと思います。

 次点には、今年最初の記事として掲載された、レビュアー松浦さんの記事がランクイン。このmusipl.comを支えてくれているレビュアーさんだし、この記事がmusipl.comでのレビュー以外の記事というスタイルの流れを作ってくれたという意味でも非常に思い入れ深い記事でした。だからランクインして個人的にも結構嬉しい限りです。まあ、ランクインといっても次点ではありますけれどもね。

 これからもmusipl.com、真面目に淡々と頑張ってまいります。読者の皆さんには、Twitterでのツイートなどの口コミでmusipl.comを広げてもらえれば嬉しいです。よろしくお願いします。

(大島栄二)