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鍵盤の音は誰が弾いても同じなはずなのに、なぜか弾く人の心がそのまま音となって広がるような気がするから不思議だ。僕が大手レコード会社を辞めてインディーズで生きていこうと決意した頃に出会ったシンガーのことを思い出す。彼女もまた可憐な鍵盤の音を鳴らして、澄んだ声で歌っていた。当時はまだ僕自身にもさほど力もノウハウもなく、CD1枚出すのにも高いハードルがあった時代で、彼女とは何度も話をしたものの… (レビュアー:大島栄二) |
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2位 |
PLASTICZOOMS
『ILLUMINATION』 |
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イントロから、まるで時代が80年代にタイムスリップしたかのような眩いサウンドに意識が向く。これまで彼らのゴシックな文学性、美学を持ったディーセントなストイシズムに貫かれた音の中からでも片鱗は感じられたものの、より振り切れて、色彩溢れる音に更新されてきたともいえるが、元来、備えていた幻惑的なロマンティシズムを今の彼らとして呈示するとしたならば、この曲のようなバウンシーで… (レビュアー:松浦 達) |
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この人たちは頭がオカシイ、良い意味で。頭がオカシイに良い意味もなかろうと一瞬思ったが、よくよく考えて反省してみて、やっぱり良い意味で頭がオカシイという結論に至った。自称「泣きのプログレ」バンド、プログレは所謂高尚な方向へと進化していくロックだと理解していて、だからジャズやクラシックとの融合的なバンドは多かったが、彼らのような歌謡曲的な方向へのプログレッシブなアプローチはほとんど見たことない… (レビュアー:大島栄二) |
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カワイイ。あらららという脱力感溢れる名前のバンドが贈るMVはボーカルのぽんぽこたろーが体育館(?)を駆け巡る中で次々といろいろなステージを見せてくれる。最後の演奏シーンだけで十分に楽しめるはずなのに、あえてこういうビデオを作って楽しませてくれる。しばらく前にOK Goの新作をレビューしたが、そこで「出来る範囲の出来そうもないことにトライして実現していく積み重ね」ということに言及したが… (レビュアー:大島栄二) |
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淡いロマンティシズムと仮設定されたプレ・モダンな相対命題、要は在りし日の未来絵図の間隙をすり抜けるようなシティ・ポップが若い世代から続々出てきており、このmusipl.でも多数、取り上げられてきた。それは、いつかの大瀧詠一的な何かとの断層はあるが、それでも、シンプルなロックンロール、スタイリッシュなポップス、マッドで刺激的なエレクトロニック・ミュージックなどと相克するように… (レビュアー:松浦 達) |
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日本の女性ソロ・アーティスト、peachonfuseの多面的に、安易な“ボーダーレス“といった言語態を無化するような姿勢に対しては美しさをおぼえるのは端的にサウンドメイクに「無理がない」からでしょうか。いつかのBalam Acab、How To Dress Wellなどを彷彿させるダブ・ステップとチルウェイヴが混交し合いながら、ゴシックな暗がりを持ったウィッチ・ハウスといった潮流から、まさに今年の象徴でもあった… (レビュアー:松浦 達) |
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7位 |
Polar M
『Darkblue Sky』 |
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何より澄み切った音像の中で揺れるオーロラのような奥行きに魅せられるかもしれない。必ずしも近年の傾向とも言い切れないものの、エレクトロニカ、IDMでも“無機性”をあえて目指すことで、掠める現実への照応性は出てくる。ただ、この京都に在住しているPolar Mは、これまで多岐に渡る活動を経ながら、自身の枠にとらわれることなく、柔和に有機的なサウンド・タペストリーを構成してきた… (レビュアー:松浦 達) |
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コワい。いや、カッコいい。このシャウトの仕方が、本当にシャウトというか、吠えているというか、悪態をついているというか、かなり独特で耳からなかなか離れてくれそうもない。これだけ吠えまくりなのにしっかりと音楽になっていて、とても面白い。ロックバンドの人は楽譜なんて読めなくて当たり前とか、いやいや楽譜も読めなくて音楽が出来るかとか、もはやそんな論争など意味不明なくらいに、この歌メロを楽譜に… (レビュアー:大島栄二) |
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当初はバンド名そのものが「バンドごっこ」というところに気が惹かれたが、音楽そのものが不思議と癖になるフックがちりばめられている。この曲だけを聴くと、例えば、RADWIMPSみたいなギターロック・バンド、という感想も出るかもしれないものの、HPを見れば、真面目にふざけているようなところがありながらも、お面を被っているメンバーがいるように、それも一つの何らかのカモフラージュにも思える… (レビュアー:松浦 達) |
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淡々と語るというよりもつぶやく、つぶやくというよりもまるで棒読みのようなこの歌のインパクト。そうだ、これはお経だ、葬式の時にだけ耳にするお経なのだと勝手に思う。ありがたい教えが込められているはずなのにどうしてあんなにお経というのは眠たくなるんだろう。それはあまりに淡々と言葉が羅列されているからだ、とこれまた勝手に思う。意識して聞くとお経はお坊さんによってまったく違っていて… (レビュアー:大島栄二) |
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こぶしを回すわけでもなく、普通に歌うのとは違う声が出てくる瞬間にボーカルの魅力はあるのだと日頃思って生きている。それは高い声を出そうとして地声の限界に到達して、それでも高い声を出さなきゃいけないからファルセットに移行してその音域を実現するわけだが、その移行するところのひねりというべき部分のことを意味している。この移行部分が短すぎるとリスナーはその唐突感に少し不快を感じるが… (レビュアー:大島栄二) |
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1位 古賀小由実『なのはな』:大分を拠点にするシンガーの曲が堂々1位にランクイン。先月のポラリスカブに続いてCDの全国流通が無い音楽が1位というのがとてもmusipl.comらしいなあと思ったり。こういう音楽があちこちに散らばってて、地産地消されているのだなあと。ある意味それは農家のこだわり野菜が地元の人に喜ばれてて、それをネット通販で分けていただけませんか的な感じで。それで各アーチストが生業にしていければいいのですけどもね、今のところは難しさもあり。
2位 PLASTICZOOMS『ILLUMINATION』:松浦さんがお薦めするアーチスト。僕はコレを完全に洋楽だとついさっきまで誤解してましたけれど、HPのプロフィールを見るとどうやら日本人のプロジェクトらしくてぶっ飛びました。個人的な印象としてはエレクトロニカというよりも90年代初頭の洋楽ポップバンド、MTV全盛の頃によく聴いたような感じで、最新の音楽ながら懐かしさを感じちゃいました。
3位 クウチュウ戦『予言』:レビューでも書いたけれども本当に頭がオカシくて、そのオカシさぶりがどこまで伝わるのだろうか、そのオカシさの面白さがどこまで理解されるのだろうかと考えると、プログレというジャンルの伝統的な奥ゆかしさもやはりこの楽曲に串刺しにされているような気分になります。音楽は優等生の作るプロジェクトより、頭のオカシイ人が作るものの方が刺激的で一期一会な感じで嬉しくなります。
4位 あららら『さよならせかい』:これがもう好きすぎて、好きすぎて、好きすぎて、レビューしてからずっと毎日聴いてます。音のクオリティの点でいえばツッコミどころはいっぱいあるんですけど、そんなの関係ないですね。好き過ぎです。音楽って楽しんでナンボなんだっていうことを再認識させてくれる秀作です。こんなに楽しい音楽と動画なのに、ギターがところどころでエフェクターをギュイギュイ言わせてるのがとてもGoodです。北海道のバンドにはステキなのがホントたくさんいますね。今度そのことで記事書きたいと思ってます。
5位 KIRINJI『進水式』:キリンジが兄弟バンドユニットでなくなって、かつての音楽とどう変わったのか、ファンにとってはものすごく大きな変化なのだろうし、そこに食い込んで論じられる程には詳しくありません。ですが、兄弟が別れることによって古くからのファンは二分するのだろうし、そのままでは勢いは尻すぼみになることでしょう。だからそんな過去のことなど知らない新たなファンを獲得していかなければ未来は暗くなるわけで、そういう意味でも僕のような過去をさほど知らない人がどう感じるのかということがバンドにとっては重要なことでしょう。で、皆さんはどうでしたか?僕は好きです。新鮮な気持ちで聴くことができました。
10位 柴田聡子『いきすぎた友達』:お経のようだとレビューしたこの動画。何度繰り返して聴いてもやっぱりお経のように聞こえてしまう。お経と評した自分がイヤになるくらいにお経に聞こえてしまって、もう一生これがお経以外の音楽として聴くことができるようにはならないのかもしれません。でも、それはそれでひとつの個性なのだし、明確な個性があるというのがアーチストとして重要なことだと思うわけです。個性のあるアーチストを発掘するのがmusipl.comの役割なのですが、彼女を含めて伸びているアーチストは過去レビューにもいくつかあるので、それについても今度記事を書きたいと思ってます。
8位のケリーマフ、7月のレビュー以来連続でランクインが続いています。まだまださほどアクセス数が多いわけではないmusipl.comなので、ファンを巻き込む告知をコツコツやればランクインするアクセスは確保出来るわけですが、それをやれているアーチストもファンも実は少なく、そういう意味でも熱心なファンに支えられているアーチストだと言えるでしょう。彼らのインタビューも先日行いましたので、近いうちに記事として公開になります。こちらもお楽しみにどうぞ。
(大島栄二) |
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