2018年のmusipl.comでの9月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 ドアノブロック
『プラスチック隕石』
 ポップで怪しい。こういうバンドを見ると音楽はますます細分化しているなあと実感する。作り込んだ世界観からはどこかの大人がアイドルグループも出尽くした感があるから別の手法で変化球を投げてみようなんて思惑でバンドマン志望の若者を寄せ集めて作り上げたお仕着せポップグループなのかと一瞬思うが、プロフィールによれば高校の同級生で結成したバンドとのこと。よく考えれば1970年代あたりでは歌謡曲だけの… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 comeropeway
『Sunday Morning』
 このギターのペラペラ感。音の厚みがあるんだかないんだかよくわからない構成の中に圧倒的な存在感で鳴っているペラペラなギター。メジャーデビューしたならばきっと凄腕、いや並程度のエンジニアによって最適なサウンドアレンジを施されて世の中に流通しないだろうこのサウンドが、僕はとっても好き。バンドをやったことのある人ならきっと週末か、終電がもう終わった深夜のスタジオを思い浮かべるんじゃないだろうか… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 テジナ
『You Are My Sunshine』
 この既視感、デジャヴ。なんだろうこれ、なんだろうこれ。そんなことを感じる音楽に出会うことは多々ある。そう感じた時に「ああ、これはパクリだ」などと考えて距離を置く人は多かろう。だが、それでいいのか。それはちょっともったいないぞ、と思う。音楽表現もほぼ出尽くした感のある昨今、そりゃあ200年前ならエレキギターも無かっただろうしシンセなんかもっと無かったわけで、アンプにつないで… (レビュアー:大島栄二)
 

 
4位 THE GOGGLES
『TWITT AND CHATT』
 ビー○ルズのパロディソングだけを作るという噂のバンドの新作MV、なんだこの完成度の高さは。原曲との適度な距離感が素晴らしい。パロディバンドはその対象が好きで好きで好き過ぎてオマージュというか、「僕らはこれが好きなんです、聴いてるあなたもそうでしょう」というテイストが作品とパフォーマンスから溢れてて少々「イタい」ことになっていることが多い。それは例えば… (レビュアー:大島栄二)
 

 
5位 エレファントカシマシ
『悲しみの果て』
 3年前のあの日、僕は下北沢で揺れを感じ、停まった電車を諦めて8.5km先の家に向かって歩き始めました。ただ家族のことだけが気がかりで、奥さんに電話をするもつながらず。ただひたすらに歩き、電話をかけ続けたのを思い出します。時間が経過しようやくつながり、家具は倒れたものの怪我も無いと聞き、ホッとしながら夕食のことを考え始めました。まだテレビの映像など見る前のことです。その後の情報からすれば… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 三回転とひとひねり
『知らない』
 自由だな。AメロとかBメロとかいうものから解放された楽曲だから当然サビもなく。これはBGMを流しながらの詩の朗読なのだろうかとさえ思う。いやむしろ朗読というよりもお経なのではとさえ思う。不思議なことにメロディが詩とリンクしないこういう表現は、歌になっている詩よりもダイレクトにこちらに意味が伝わってくる。法事でお坊さんがお経を詠んでいるのを聞くと、あれはなんと言っているのだろうかと… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 TETORA
『ずるい人』
 切り裂くようなハスキーな声。ハスキーというのかこれ? ハスキーとはちょっと違うのかもしれないけれど、各フレーズの語尾で裏返るような発声が限界に挑んでいるように聴こえるし、限界に挑んでいるような歌はやっぱり魅力的に聴こえる。ズルいよこれ。ズルいって言い方もおかしな話で、きっとボーカル上野はゆねはこういう声なのであって、自分の声で自分らしく歌ってズルいなんて言われても… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 まちぶせ
『深夜徘徊デート』
 この軽快なサウンドにさほど歌唱力がもどかしいボーカルの歌。これがこんなにも心地良いのはいったい何故だろうか。これはもう平成のカジヒデキ。いや、カジヒデキのことそんなに詳しく知らんけどね。MVには夜の街を歩くシンガーの姿が。そりゃ深夜徘徊デートだからね。そうやって深夜徘徊するのは都会の風景ばかり。うん、深夜徘徊というのは都会にだけ許された特権なんだろうと思う。夜を歩くといえば4年ほど前に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 Eurythmics
『I’ve Got a Life』
 自己責任という言葉が世の中を飛び交う時代。それは人々が余裕を失いつつあるということなのだろう。余裕があれば誰かを助けることもできる。だが助ける余裕が無くなったとき、自分にはもう余裕が無いのだということを表明するのが怖くて、自分がプライドを保つために「自己責任」という言葉を生み出し、だから助ける必要など無いのだと自己弁護する。あれは他者の責任を明確にするための言葉ではなく… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 SAPPY
『Get Back』
 SAPPYの新曲MVを見て、あれ、SAPPYってこんなバンドだったっけという違和感を覚えつつも、引き込まれる。それで以前にレビューをした曲を聴き返す。たしかにポップさが全然違っている。だがその違いは表面上のもので、サウンド構成の深さやバランスの良さなどはこの間にずいぶん進化しているし、その進化の分だけ、違うバンドのような違和感を生んでいるのかもしれない。これはかつてSUPERCARが… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 King Gnu
『Flash!!!』
 2000年頃以降くらいに耳にするようになった音楽ジャンルにはどうにもイメージを持ちにくくて、オルタナティブ、ミクスチャー、エモ、コアetc. etc.。いやまあ2000年以降なのかどうかと厳密に問われればもっと前からあったのかもしれないし、そもそも太古の昔に出てきたニューミュージックというのがもはや今となっては謎だし。そういうジャンルというのは「オレたちはこれまでの音楽とはちゃうぞ〜!」みたいな… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

1位 ドアノブロック『プラスチック隕石』:怪しげなバンド名と曲タイトルのレビューがダントツの1位でした。怪しげでアンダーグラウンドなバンド(勝手に思い込んですみません)にしてはちゃんとリツイートとか拡散活動してくれてて、その結果がアクセス1位に繋がっているのでしょう。単なる変人アングラバンドではないようです。しかし、メンバーのひとりが「崇徳上皇について触れてくれていて嬉しい」という内容のリプライをしていて、変人ではないにしてもマニアックな人たちなんだろうなあとは確信しました。頑張って欲しいです。

2位 comeropeway『Sunday Morning』:レビューではギターのペラペラ感について言及していて、でもその評に既視感があって、確認してみたらやはりいくつかのレビューでペラペラギターが好きということを書いていました。本当に僕はペラペラなギターが好きなんだろうと再認識しました。どうですか? みなさんはペラペラギター好きですか、そうでもないですか?

3位 テジナ『You Are My Sunshine』:ホントこういう風変わりなバンドは大好きで、平成のヒカシューと勝手に呼んでしまったのですが、若い人たちにはヒカシューってどうなんでしょうかね。僕が若い頃に「サンハウス」とか言われて、いやいやサンハウスとか知らねーしと思ったことを思い出します。今の若い人(何歳くらいが若いんでしょうかね)が「ヒカシューとか知らねーし」と反応したとしてもまったく不思議では無いと思います。

4位 THE GOGGLES『TWITT AND CHATT』:友人セシモッチがやってるバンドGOGGLESの過去レビューが復活ランクイン。友人のバンドですけど先日はGOGGLESトリビュートライブというのを開催し、そこに奥田民生も出たというからなんかスゴいです。知る人ぞ知る有名バンドですから、みなさんも聴いてみてくださいね。

7位 TETORA『ずるい人』:こういう声好きなんですよね〜。自分の好みの声だからレビューするってどうなの、私物化なのという批判もあるかもしれませんが、音楽なんてしょせん好みですから。好みじゃないものを音楽業界政治力学でレビューすることの方が変でしょ。なのでこれからも好みの音楽をバンバンレビューしていきたいと思っています。みなさんも好きな音楽があればまずはセルフレビューなどしてみてくださいね。。



 というわけで、musipl頑張ってますので、皆さん今後ともよろしく。アーチストの皆さんは、
セルフレビュー】(自分でレビューを書いて投稿!)
ディスクレビュー】(あなたのCDを郵送で送れば、ディスクレビューいたします!)
広告出稿】(新譜発売やツアーなどの情報を宣伝しましょう!)
musipltune(配信)での配信開始】(音源をiTunesやSpotify配信で全世界に発信!)
musiplレーベルでのデビュー】(音源をCDプレスと全国流通で格安にリリースできます!)
といった。サービスを是非ともご活用ください!お待ちしております!

(大島栄二)