2018年のmusipl.comでの3月アクセス数上位10レビューはこちら!


 
1位 おかありな
『スカートの中』
 会いに行けるアイドルという言葉が持つ距離感は、アイドルに会いたい人たちに希望を与えたと同時にアイドルになりたいと願う人にも希望を与えたのだろうと思う。だがそんな会いに行けるアイドルたちが大きくなってしまったらまた会うのも大変になってしまうわけで、当然なるのはもっと難しくなるわけで、時折テレビに映る集団で踊っている姿を見ると「もう48人じゃないでしょそれ!」って、誰もが暗黙のうちに… (レビュアー:大島栄二)
 

 
2位 おかありな
『imadakekoibito』
 この曲はおかありなが嘘の無い心の内を吐露するような内容で、それ故にピュアだし、聴いててドキッとする。奏でられるギターの音がとてもクリアで、曲の舞台となる冬の朝の清々しさと、彼女の心の背景のような空間をよく現している。この感じは、前野健太の朴訥さにも似ていて、こういう正直に感じさせる罠のような世界観を好きな人たちはたくさんいるのではないだろうか。シンプルでチープなビデオも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
3位 UNISON SQUARE GARDEN
『君の瞳に恋してない』
 この時代における、オルタナティヴな位置から一気にフロントラインの尖端を目指すさまの鮮やかさが彼らの場合はブレなく映る。捻くれながら、どこか筋の通った美意識。ロック・バンドとしての何かさえも忖度されてしまうご時世で「内破」してゆき、BGMとしても消費させないクセも踏まえた上でのスパーク。昨今では「シュガーソングとビターステップ」の浸透性も大きかったが、この「君の瞳に恋していない」のホーンや… (レビュアー:松浦 達
 

 
4位 ART-SCHOOL
『OK&GO』
 生き延びていると現実は時おり冷酷過ぎて、またやるせなくてどうにも受け止められないことが出てくる。ただ、生き延びられなかっただけではなく、生が何らかの形で産声をあげた時点でいつか終わるから徐々に敏感に臆病になっているだけかもしれない、とも思う。それなりに生きて平穏に逝く、なんて主体のエゴで、その主体は装置的に入れ替えればいつでも今、生き残っている人たちの声が小さくとも大切で… (レビュアー:松浦 達
 

 
5位 清水翔太
『Good Life』
 どこまでが本当の声で、どこからが偽の声なのだろうか。エフェクトがかなりかけられていると思われるボーカルが淡々と歌う。歌うというのが適切なのか、語っているというべきなのか。その人工的な声は、だからといってボーカロイドのものとは違うし。でもボーカロイドだからそこに心が無いなどという指摘は間違っていて、人工的な声だからこそ本音がいえるような側面もあって。だってそうだろう、匿名のアカウントの方が… (レビュアー:大島栄二)
 

 
6位 MaRS VIOLET LOVE
『50%』
 カッコイイ。こういうの好き。ギターとドラムのインストバンド。ギターが唸りながら歌っているように聴こえる。最近はインストバンドも増えてきて、それぞれ個性的な音楽を奏でているんだけれども、歌好きな人としてはやっぱり歌が欲しいよねと思ったりする。でもバンドアンサンブルの音楽には歌は無いんだ。だから悪いわけじゃないけど、良い悪いは別にしてほとんどのインストには歌は無い。当たり前だけど… (レビュアー:大島栄二)
 

 
7位 灰色ロジック
『モーニング』
 シンプルな曲だ。とてもシンプルで、単純なことを歌う。朝からずっと君のことを考えていると。その君が「趣味とバイトとあんた」で同様に大切だと。生々しいな。そこで「君が一番なにより大切だ」と歌い切るべきだとは思うが、嘘でそう歌ったところで意味は無くて。じゃあ趣味とバイトと同等の大切さと歌われた彼女はいったいどう感じれば… (レビュアー:大島栄二)
 

 
8位 長靴をはいた猫
『勿忘草』
 なんかスゴイなこの情念の固まりって感じの曲。シンプルな言葉が連なる歌詞の破壊力というか、こんなに想われるとちょっとキツいなという感じもあるが、じゃあ本気の好きっていうのは概ねこんな感じのはずで、そういう意味では情念の固まりというよりは、ピュアなLOVEとはこういうものなのかもしれない。そういうピュアな歌をどういう声と演奏がさらにピュアに聴かせるのかと考えていくと、こういう声と演奏に… (レビュアー:大島栄二)
 

 
9位 WITHERCRACK
『群青』
 群青っていうのはただの色の名前ではあるのだけれど、こうして熱唱する姿を見るにつけ、ただの色ではないよなあと思わずにいられない。群青、群れる青。そう、若さが集積することによって生まれる熱のようだ。新潟を拠点に活動するバンドWITHERCRACKのこのMVにはそんな青春のエッセンスが詰まっている。イケてるバンドが若いなりに得た知識や世界観を上から目線で歌っているのを見ると、いやいや君たちも… (レビュアー:大島栄二)
 

 
10位 THE PRISONER
『喜びの歌』
 防波堤でオペラ長の歌を歌う謎の男。そうかと思うと普通の人の普通の格好の男女が走り始める。するとさっきまで防波堤の上に立っていた謎の男も一緒に走り出す。曲が進むと「あれ?」と思う。サビが無いのだ。いや、違うなそれは。サビしか無いのだこの曲には。「生んでくれてありがとう」から始まる歌詞は「ありがとう」シリーズ、「サンキュー」シリーズ、「ノーサンキュー」シリーズと続いてまた… (レビュアー:大島栄二)
 

 
次点 遠藤理子
『午前3時』
 仙台に拠点を置く17歳の遠藤理子の歌は、何故こんなにも刺々しいのか。歌詞の言葉ひとつひとつがネガティブで、ネガティブが重ねられた世界はなぜか清々しい。それはそこに嘘が無いからだ。誰もが日々の美しい画像を切り取ろうとスマホ片手に必至で、インスタ映えと言っては友人に披露する。その嘘を重ねた写真群は確かに美しいが、その美しさに一部の人は心を病む。病ませる美しいエッセンス。遠藤の歌はおそらく… (レビュアー:大島栄二)
 

 
編集長コメント

1位 おかありな『スカートの中』& 2位 おかありな『imadakekoibito』:2月に続いて1位2位を独占したおかありな。いやあ、ファンの熱心な応援はすごいものですね。他のバンドのファンの人にも負けないくらいにアクセスしていただいて、彼女の連続トップを阻止してもらいたいものです。あ、それは別におかありなさんとそのファンに負けてほしいということではなくて、みんなが切磋琢磨してほしいという意味です。おかありなさんの曲はホントにキュートだし、そのキュートさ(だけじゃないでしょうけど)を応援しているファンの人たちには心から敬意を表したいです。4月以降も頑張ってくださいね♬。

3位 UNISON SQUARE GARDEN『君の瞳に恋してない』:メジャーの彼らが3位にランクイン。この1位2位3位は本当に僅差でした。UNISONが1位になっていたとしてもまったく不思議じゃないくらいです。さすがはメジャーだけのことはあるなと改めて感心しました。

6位 MaRS VIOLET LOVE『50%』:インストロックバンドが6位にランクイン。強烈なファンに支えられたおかありなとメジャー3組に続いての6位ランクインは、ある意味1位にも匹敵するくらいのアクセスでした、ハイ。アクセスが多いか少ないかということだけじゃなくて、彼らの音楽は本当にカッコイイし、こういうバンドはもっともっと伸びてほしいよなあと心の底から思ったりしました。Twitterではそういうファンのリプライも多数ありましたね。

10位 THE PRISONER『喜びの歌』:結構ベテランと言っていい彼らの曲が10位にランクイン。カッコイイものというのはほとんどがカッコイイ部分をこれでもかと強調して前面に押し出すことで実現するのですが、彼らのカッコイイはすべてをさらけ出すことで成立しているように感じました。すごいです。

次点 遠藤理子『午前3時』:仙台のティーンシンガー遠藤理子の、これもまた心の中をさらけ出す歌が、とてもインパクトありました。レビュー直後にCDリリースという情報もあり、10代でそういう活動をしている人を見るとますます応援したくなりますね。頑張ってほしいところです。

 先月もそうればいいんですけどね。

 というわけで、musipl頑張ってますので、皆さん今後ともよろしく。アーチストの皆さんは、
セルフレビュー】(自分でレビューを書いて投稿!)
ディスクレビュー】(あなたのCDを郵送で送れば、ディスクレビューいたします!)
広告出稿】(新譜発売やツアーなどの情報を宣伝しましょう!)
musipltune(配信)での配信開始】(音源をiTunesやSpotify配信で全世界に発信!)
musiplレーベルでのデビュー】(音源をCDプレスと全国流通で格安にリリースできます!)
といった。サービスを是非ともご活用ください!お待ちしております!

(大島栄二)