編集長 大島インタビュー、第2弾!

『音楽シーンの今と、musiplのこれから』

 

musiplは、『イカ天』の現代版?

M子:ちなみにmusiplを作るに当たって、何か、お手本というかモデルにした媒体ってありますか? ほかのサイトとか雑誌とか……。

大:着想が近いのは、「イカ天」(※)です。今のこの、良い音楽がたくさん埋もれている状況は、あの番組がムーブメントになったときの状況によく似ているんだよね。あの番組が始まった頃は、RCサクセションやBOØWY、REBECCAなどから始まるバンドブームの影響で、アマチュアバンドが原宿ホコ天で演奏し始めた時代。さらにそれに刺激を受けた若者がバンドを組んで、どんどんライブをするようになった。 イカ天は、そういうアマチュアバンドを毎週5組登場させて競わせるという番組だった。出てくるバンドがみんなつまらなければ、番組が盛り上がることもなかったと思うけど、実際にはかなり盛り上がったし面白かった。ブランキージェットシティーやBEGIN、FLYING KIDSなどもイカ天出身。そういう才能がライブハウスでひっそり演奏していたのがあの時代で、今の音楽シーンもまさにそう。まったく無名だけれど実力も面白さも兼ね備えているアーチストは大勢いるんだよ。

※ イカ天:80年代末からTBSで放送されたオーディション番組。正式名称は『三宅裕司のいかすバンド天国』

M子:今の若い人は、イカ天なんてもう何のことかも知らないのでは? 今見たら新鮮かもしれませんね。musiplは、イカ天の現代版ってことですか?

大:基本理念はイカ天と近いけど、異なる部分もある。たとえばmusiplでは、売れないアマチュアバンドだけを紹介するわけではないんですよ。メジャーにいても宣伝費をかけてもらえずになかなか知名度が上がらないアーチストもたくさんいる。そういう人たちも紹介していきたいし、場合によってはミスチルやサザンの音楽を紹介してもいいとさえ思っています。大事なのは音楽が好きなリスナーが新しい音楽に出会える場所を提供するということであって、妙なこだわりで何かを排除するというのは避けたいんだよね。もちろん無原則にただ動画を紹介しているのでは、結局YouTubeやamazonと同じになってしまうから、最低限の基準(※)は決めてるわけだけど。

※ レビュー掲載の基準については、次回で詳しく

日本の音楽シーンを動かすメディアに

M子:今後musiplは、どのように展開していくのですか?

大:基本的には引き続きレビューを毎日掲載していきます。これが柱になることは変わりないと思います。それと並行して、音楽に関する特集記事やインタビューなど、レビュー以外のコンテンツも徐々に増やしていく予定。 サイト外でも、さまざまな試みを企画検討中です。たとえば、ここで紹介したアーチストが出演するライブイベントとか、コンピレーションCDをリリースするとか。

M子:ライブイベントは楽しみです! サイトをベースに、他にもいろいろな企画が考えられそうですね。それから、サイトとしての目標や課題はありますか?

大:まずは読者を増やして、もっと音楽ファンに認知されること。どちらかと言うとインディーズ寄りのアーチストを扱っているから、万人に知られる必要はないけど、コアな音楽ファンならまず知っている、という存在を目指したい。そのためには、musiplをベースにした番組を持てるといいんだけどね。テレビでもラジオでも。
 あとは、音楽シーンを盛り上げる一翼を担うこと。最終的には、イカ天がそうだったように、音楽シーンを動かして次世代を作るメディアに成長できたらと願っています。

M子:おお、壮大な目標! でも何だかやる気がわいてきました!

大:確かに今の音楽シーンは停滞気味だけど、現代人が音楽を求めてないわけじゃない。むしろ苦難の多い時代だから、心に響く音楽は絶対に求められてる。自分で良い音楽を探すヒマはないけれど、専門家が教えてくれるなら喜んで聴くという人は多いはずなんですよ。だから地道に続けていけば、今挙げた目標も必ず実現できると思っています。

→次回はついに「musiplのレビュアーたち」を徹底解剖!
(続編は3月中旬頃公開予定です)

 

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