先日のグラストンベリーでのライブでは、強烈な盛り上がりを見せたslowthai。イギリス、ノーサンプトン出身のラッパーだ。デビュー作は、エネルギーがほとばしりまくる刺激的な内容となっている。アルバム名が「Nothing Great About Britain」というのも意味深で、挑発的だ。EU離脱、メイ首相辞任、移民問題などで揺れる、現在のイギリスに対する思いがタイトルからもうかがい知ることができる。アルバムジャケットには、イギリス国内の街広場なのだろう、そこで十字架にかけられる彼の姿が写されている。これらすべてが、逆説的に、彼がいかに母国を愛しているかを表しているようだ。MVでは「時計仕掛けのオレンジ」の「ルドヴィコ療法」よろしく、彼は(クリップで強制的に目を開けられた状態で)イギリスの偉大さを延々と見せられる。映画の結末を知っていれば、この療法は失敗することも予見される(MVでもそう描かれている)。攻撃的で疾走するようなSkeptaとの絡み合いも印象的な曲だ。