なんだろうこの軽やかさ。この数十年で音楽には様々なジャンルというものが生まれて細分化されてて、その中で自分たちはどのような立ち位置で音楽を生み出すのかということを多少なりとも考えるということがもはや必然となっていて、なぜなら、それを考えなければ新しく生み出したはずのオリジナルソングが実は既に誰かが作っていたものの二番煎じであることから逃げられないからです。いや、考えたからといって逃げられるものではないんだけれども。で、その考えが音楽を窮屈にさせてしまうので、昨今のバンドたちが窮屈な音楽(ジャンルのハードさのことではありません)ばかりを奏でているのも仕方のないことだったりします。しかし、このCuBerryという女子3人の曲の軽やかなこと。自分たちの立ち位置なんて知らんよと言わんばかりのこの自由さ。HPを見ると、どうやら彼女たちはバンドをやっているのではなくて、肩書きは「The art unit」だそう。なるほど、音楽という狭い中だけで考えているんじゃないからこんなにも軽やかなのか。MVに出てくる3人が終始笑顔でのほほんとしてて、映像担当のSetsukaさんが大きなカメラを片手で持って笑いながら走ってるところなどは、「おいおいそれじゃブレるだろ、カメラの持ち方を誰かから教えてもらってないのか」などと突っ込みたくもなりますが、突っ込んだところで「何それ? 楽しく撮るのが一番ですよ」と笑って返されそう。でもホントにそうだと思います。音楽世界のどの立ち位置で頑張るとか、誰よりも上手とか人気あるとか考えてたら顔の筋肉がひきつるだけで、それでエラくなっても苦しいだけじゃねーのと、こんな歌を聴いてると、理屈じゃなくて感覚で理解できるような気がします。