THE CHARM PARKはどこか、再帰不可能性の是非(/以前)を哲学的に心の中に求め、多くの予めの或る過圧、規制なんて気にせずいればいい、と目の前の一人ひとりに向けて隔てなく歌っているところが頼もしく映る。この「そら」も私的にJASON MRAZの「REMEDY(I Won’t Worry)」に通じるポップネスとポジティヴなヴァイヴを感じながら、彼自身が敬愛しサポートとして参加する大橋トリオからのエッセンスもあり、ハーモニーや情緒の裏にはSlowdiveやThe Radio Dept.などの影が見えたり、と多彩な音楽因子が違和なく込められ、英詩、日本語詩を自在に行き交う。一聴、ウェルメイドだがしかし、散漫な印象を感じないのはどの曲の底にも流れる頑な美意識のような何かのざらついた余韻が残るからだと思う。それは、出自は韓国で、長い歳月をアメリカで過ごし、アイデンティティの再構築を繰り返してきただろう彼自身の在り方にも依拠するのかもしれない。洋楽、邦楽、ましてやジャンルなどの枠もはじめからないように、むしろ日本へ渡ってきた来し方、日本の内部にいてこその”気付き”を持つことができる不自由さと不満の中でこそ求めた音楽性の豊潤さと伸びやかな語彙がこの明け透けではない、心地良い開放感を生んでいるのだと思う。