Lighter190E『パンドラ』
浮遊スル猫『好奇の眼』
Fakear
『La Lune Rousse』
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W杯サッカーが始まると、自国よりも多彩な言語に敏感になる。サッカーを巡って、世界はそれぞれの想いをマップ(仮託)する声の響きに、混じる特有の音楽。そんな中でも、なぜか、距離感を感じず、元々、多民族が行き交うフランスの音楽をよく聞くことが多かったが、その中でも、23歳の気鋭の彼の肩の力の抜けたサウンド・ワークが耳に残った。アシッド・ハウス・リヴァイバル的で逆にアクチュアルなビート・センスと、民族性を組み合わせたファットな質感、同時にDJ感覚が総体を細部へと落とし込む。大味で雑味なビート・ミュージックを対象化し、執拗な反復を是とした“これから”に向けてのダンス・ミュージック、として聴いていると、どうにもセクシャルな蠱惑性を喚起せしめる。背筋のすっきりした品行方正な音楽が多い中、これくらいに、チープにジャンクでもビートは響くのではないだろうか。不愛想で、無機的なMVも良い。
(2014.6.26)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
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