うつくしくあれ『涙がポロポロ』 Next Plus Songパスピエ『チャイナタウン』
次松大助
『霧の中』
 バンドや組織体は終わってしまっても、そのメンバーの生活や活動は続く。個人的な話だが、京都の三条に分店なものの、“Or Glory”というモッズ系のアパレルのセレクト・ショップがあり、そこの女性の店長の中でTHE MICETEETHという大阪からスカとシュールなリリシズムの折衷をはかったバンドのことがしばしば話題に上がった。彼らは幾つものトライアルと、次松大助の紡ぎ上げる抒情性をスカという枠内だけではなく、それ以外の層へも広げたクールネスがあった。1999年から10年という活動期間。不世出のスカ・バンドだったとも思わないでもないが、筆者自身、ライヴを何度も観に行き、想いは尽きることなく、そのたび、「夜明けの小舟」や「ネモ」などは今でも耐久度のある曲だとあらためて感じたりもした。そのメイン・シンガーたる次松大助は、飄々とした在り方ながら、THE MICETEEHのカバーと自作曲の間を、好きなアルコールの酔いに任せて、揺れながら今もいろんな場所で色んな名義で移ろう。こういう唄い手が過去には沢山、居たものだが、知らず知らずのうちに声が聞こえなくなってしまう。酔いどれ歌手の唄にせめてもの花束を捧げることも悪くない。これはそのバンド時代の佳曲のセルフ・カヴァー。ファンの方のマッシュアップMV含めて、興味深い。
(2014.3.28) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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