中古U.F.O. インタビュー
『聴いたことのないリズムで心をえぐる』
    〜「右手があった頃」の意味〜  (取材:文=大島栄二)

 

 中古U.F.O.はベースボーカルの坂井とドラムの加藤による二人組ロックバンド。楽器構成の特異さもさることながら、彼らが生み出すうねりのような大胆な轟音サウンドと、心の襞に触れるような繊細な歌詞のギャップがバンドの最大の特徴だ。
 彼らは日本泥棒という名前で活動を続けてきて、2014年夏、リリース直前というタイミングでバンド名を変更した。普通ならあり得ないタイミングでの名前変更だが、彼らには彼らの考えがあるという。その意味や、バンドの変遷から音作りへのこだわりまで幅広くインタビューした。

 

サポートで入ったバンドを吸収した(坂井)

m:2人の出会いは?

加藤:対バンですね。

坂井:自分はベース弾き語りをしてて。加藤くんはバンドで。それで共演して知り合いました。そのうちに自分が加藤くんのバンドにサポートベースで入ったんです。

加藤:ベースいなかったんです。

坂井:最初はサポートで入ったんですけど、結局自分の曲をやるようになって。

加藤:日本泥棒のソロの時からカッコいいのはわかっていたので、自分でもやりたいと思って。

   
 

日本泥棒『退屈2005』

 

m:現在はベースとドラムという構成ですよね。普通はギターやキーボードがいるけど、中古U.F.O.には何故いないんでしょう。

坂井:別に要らないって感じでした。

m:以前にギターのメンバーとトラブったとか?

坂井:最初からギター要らないって思ってて。ギターを入れた時期も1年くらいあったんですけれど、やはり音的に必要じゃないなという結論に。加藤くんと2人でというのはそれ以前に4年ほどあったんですけれど、人間関係的にもそこに新しい人がポッと入ってくるとなかなか難しいですね。


m:夏にバンド名を「日本泥棒」から「中古U.F.O.」に変えた理由は?

坂井:なんとなく引っ掛かることがあって。いいバンド名じゃないなあと。最初は意味もなく付けたんですけれど、別の変な意味をくっつけられているような気がして、それがジャマ臭い気がして。

m:「日本」と「泥棒」とどっちが気になったんですか?

坂井:両方の組合せですね。

m:バンドの名前は歴史があってもまったくリセットされるので、もったいないという気はなかったですか?

坂井:東京だけなら日本泥棒って名前を知ってる人もまあまあいると思いますけど、知ってくれている人に名前変わったということを伝えるのは簡単かなあと。それよりも、これから外に出ていくことを考えた時、日本泥棒ではイヤだなあと思ったんです。

m:中古U.F.O.という名前はどこから?

坂井:自分がそういう曲を作ってて、気に入ってて。それで、良いかなと思って付けました。

m:そういうのは2人で相談して決めるんですか。

坂井:一方的ですねw。

加藤:です。

m:事後報告ですか? そういう時に「なんだよチクショー」みたいにはならないんですか?

加藤:「りょ、了解」って感じですw。

m:理由も聞かずに?

坂井:理由は一応言いました。

加藤:はい。

坂井:バンド名変えるときはさすがにメールじゃなくて直接言いましたけどねw。

 


歌詞の意味は聴く人が勝手に想像すればいい

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