編集長 大島インタビュー、第3弾!

『musiplのレビュアーたち』

  musipl.comにレビューを寄稿しているレビュアーは、編集長の大島を含め、現在5名。「一般の人に比べて、かなり音楽と関わりの深い人生を送ってきた」という点は共通しているものの、それぞれのバックグラウンドはまったく異なる。編集スタッフM子による編集長インタビュー第3弾では、そんな個性派揃いのレビュアーたちの詳しい経歴や素顔に迫る。  

独特の文体にハマる人続出。
     musipl唯一の評論家、松浦 達

M子:musiplのレビュアーたちは、選曲や着眼点がとにかくマニアックですよね。短いレビューなのに、文中に出てくる知識が細かすぎて、たまに笑ってしまうことも。皆、「タダ者じゃないな」という印象です。

大:皆さん、音楽に並々ならぬ思い入れを持った人ばかり。文体もそれぞれまったく違うけれど、経歴や音楽歴もバラバラですね。マニアックな選曲に見えるかもしれないけど、みんな自分の引き出しの中から、なるべく一般の人にも受けそうな曲を一生懸命選んでいると思うよ。

M子:あ、その気遣いは多少感じます(笑)。大島さん以外のレビュアーでもっとも登場頻度が高いのは、松浦達さんですが、彼はプロの評論家さんなんですよね。

大:松浦さんは、主に『COOKIE SCENE』という音楽メディアで活動してきた音楽評論家です。シンクタンクで働いていたこともあり、この春から長崎の教育機関で教鞭を取ることになった国際開発経済学の学者さんでもあります。

M子:松浦さんのレビューは、ワンセンテンスが長めなのが特徴ですね。それで最初は小難しい印象を持ったのですが、読んでみるとロジカルで文章に流れがあって、気持ちいいんですよね。

大:ワンセンテンスが長いのは、意識してそうしているらしいです。息継ぎさせずに一気に読ませるように、って。

M子:計算された文体なんですね。松浦さんは、どんな経緯でmusiplに書くことになったのですか?

大:僕が懇意にさせていただいている奈良のレコードショップ「ジャンゴレコード」との関わりが深い方で、特にジャンゴさんに紹介を受けたわけじゃないんだけど、そのつながりで知り合って、Twitterでもフォローし合う関係に。僕がmusiplを始めたら、すぐに興味を持ってくれて、彼の方からレビュアーに加わりたいとオファーをいただきました。

M子:そうだったんですか。musiplでの松浦さんの選曲については、大島さんはどんな印象を持っていますか?

大:洋邦問わず幅広いですね。僕が仕事柄、本当に無名な日本人アーチストばかり紹介しているので、それを補完する意味で、洋楽アーチストや、邦楽でも準メジャー的な楽曲を意識して選んでくださっているみたいです。

M子:松浦さんのレビューの中で、特に印象に残っている曲は?

大:あえてひとつ挙げるなら、ドレスコーズ『ゴッホ』かな。すでに知名度もあるバンドだから、当時の僕なら選ばなかったでしょう。でも松浦さんのレビューには、まったく(musiplでこのバンドを紹介することへの)違和感がなかったし、何より曲が新鮮でした。ドレスコーズは毛皮のマリーズの志磨遼平が作ったバンドなので、それだけで食わず嫌いしている人も少なくないと思うけど、そんな人にこそ聴いてほしい曲。無名かそうでないかにかかわらず、純粋にいい音楽を紹介することがmusiplの役割なのだと再認識できた一瞬でした。

M子:大島さんは、松浦さんと直接会ってお話する機会も多いみたいですが、素顔はどんな方ですか?

大:個人的に、経済に詳しい人ってバブリーで調子のいい人が多いと感じてるんですが、松浦さんはそうではなくて、現状を一歩退いた地点から眺めている人という印象です。語弊を恐れずに言えば、仙人のような?

M子:仙人ですか? 気鋭の評論家ってイメージなんですが。記事ページに掲載された写真を見ると、まだお若い方に見えますよ?

大:若いんですよ、たしか30代。的確な言葉でマシンガンのように饒舌に喋るんだけれど、一方では、決してこちらを制圧しようというような圧力を感じない、柳に風といった雰囲気もあるんです。そういえば、先日アルパカを飼い始めたとか。自宅の庭に飼うのではなくて、牧場にいるアルパカのオーナーになったということらしいんですけど、昔からの夢だったらしく、とても癒されるっておっしゃってました。

M子:アルパカがお好きなんですね。草食系男子? ますますイメージがつかめなくなったような……。

 
松浦 達(まつうら さとる): 音楽メディアCOOKIE SCENEをベースに多角的に文化を考える執筆家、途上開発経済研究者。 Blog : 【Rays Of Gravity】
 

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