前回の記事『売れるだろうな、いやもう売れてる?』が好評だった【2015年度 musipl予測】。前回は既にメジャーデビューしてたりしそうだったりという状況のアーチストを中心に9組紹介しましたが、今回はメジャーの話が表立ってはいないので、売れるぞ〜とは言いにくいけれども内容的にとても魅力的なので是非とも紹介しておきたいし、こういうアーチストたちこそ売れるべきだし、なにより、多くの人はいち早く聴いて友人たちに「これ、カッコいいよ。知らないの?」とかいって自慢しておいてもらいたい、そんなアーチストたちを紹介いたします。 音楽の世界で売れるというのは本当に難しいし、1曲や2曲いいのを作ったらそれでOKという甘いことでもないので、彼らがどんな活動を継続していけるのかなどを注目していきたいのです。
【ウワノソラ】
2012年に結成のウワノソラ、昨今のシティポップムーブメント(と勝手に呼んでいますが)の中でも最も期待できそうなくらい、完成度も高いし聴いてていい気分にさせてくれるバンドです。以前レビューで紹介した『恋するドレス』では早くてシャッフル感のあるリズムの中にもしっとりとした落ち着いたテイストを醸し出していて「やるな!」と思ったわけですが、そのビデオより少しちょっと前に発表していた『Umbrella Walking』ではもっとハッピー感を持ったポップ感が強い楽曲。ライブでいえば1曲目に客の心をつかむような、そんな役割も果たせる強さを持った楽曲で、ステキです。彼ら、HPによれば6月に2年ぶりのライブ出演が決定とのこと。2年ぶり!こういうのんびりとした活動でどこまで多くの人に知ってもらえるのかは判りませんし、だから売れるとかいうこととはちょっと次元の違う活動なのかもしれませんが、いい音楽でありいいバンドであることは間違いありません。最近Uwanosora'67という別ユニット(?)のアルバムも出たばかり、ますます本体(?)の活動はどうなるのやらという不思議な活動を展開しているようです。
ウワノソラ'67『シェリーに首ったけ』
【Chu's day.】
女の子が歌うという活動はAKBに代表されるようなアイドルユニットがひとつの柱として存在し、驚くくらいにひしめき合う中で自分たち独自の立ち位置をつかもうと不思議なキャラ設定をしたりしている。一方でロックバンドというスタイルで世の中に登場してくる女の子たちも沢山いる。このChu's day.もそういうガールズロックバンドの新星といえるだろう。とにかく歌が上手い。YouTubeにカバー曲をアップすることで知ってもらう機会を作るというのは最近よく見かける手法だが、実はカバーをしているつもりでも単なるコピーに終わっているケースも少なくない。そうなってしまうと知ってもらっても魅力を感じてもらえないので逆効果なのだが、彼女たちは歌の上手さを含めて存在感もあって、すぐにファンになってしまう。いやあ、イイですよ。どういった層がターゲットなのかをより明確にしていけば、意外と素早くビッグになっちゃうかもしれない人たちだと思います。
Chu's day.『愛の光』
【ぐしゃ人間】
彼女たちを新人と呼んでいいのかはよくわからないし、以前レビューで紹介したビデオはかなりポップさもあって普通の人でも評価しやすいけれども、他の曲はけっこうグロい。グロいというかなんというか、アングラというか、プログレというか、エモというか、まあ人によって呼び方は様々でしょうが、一般的な健全少年少女がにこやかに聴くという種類の音楽ではありません。では種類の健全音楽をにこやかに聴いているのは一体誰なんだろうかと考えてみると、やはりそういう人たちの顔って具体的には思い浮かばず。みんな誰しも心に多少の傷をかかえつつなんとか生きているというのが現実だと思うと、もしかするとこのぐしゃ人間のような音楽こそ心の王道のようにさえ思ったりもします。 そのぐしゃ人間の亀さんは新たにリアル3区というユニットを始めてて、これがぐしゃ人間とはかなり違う明るさを発揮している様子。ただ、アーチスト写真の華やかさと実際のライブがイコールなのかはよくわかりませんので、気になる人はライブに行って直接確かめてみてください。
ぐしゃ人間『僕の右手』
→続いて、【ケリーマフ】【古賀小由実】【NakamuraEmi】