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チャットモンチー
『東京ハチミツオーケストラ』

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 チャットモンチーのことは出てきた時にすぐに好きになって、アルバムも買った。ファーストも、セカンドも、そしてサードまで買った。四国から出てきた彼女たちの音楽には独自の視点があって、それが気取らずに歌われている。当時で既に東京住まいが長くなったオッサンの僕でさえハッとするようなフレーズが散りばめられている。ファーストアルバムの1曲目に収録されているこの曲の段階ですでにガツンとさせられる。オフィスのスピーカーで大爆音にして聴きまくっていたことを思い出す。四国から出てきたばかりの女の子が、同世代の同じような境遇の子たちの心境を、重すぎず軽すぎずこれほどジャストサイズに表現した歌はなかなか無い。夢が夢でなくなる東京。甘い甘い蜜の味に負けそうな蜂の幼虫たちがどこに行くのか。彼女たちは周知の通り成功し、夢が夢のままで実現した希有な例なのだが、売れるかどうかわからないバンドマンが夢を目指して上京する不安を持っているという、いわばリスナーと同じポジションからの目線をもはや失った彼女たちが歌う世界というものに、リスナーは今も同じような共感を出来るのだろうか。そんなことを、初期の名曲を聴きながらふと思う。2年半ぶりにリリースした最新作は、どのくらいの熱量で迎えられているのだろうかと。
(※2016.10.5時点で、著作権上の問題により日本での再生がブロックされていることを確認しました。レビュー文章についてはこのまま掲載しております。ご了承ください)
(2015.8.8) (レビュアー:大島栄二)
 


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