Drop's『アイラブユー』
808 State『Tokyo Tokyo』
ウソツキ
『0時2分』
ツイート
タイトルが0時2分で、サビでその「れいじにふん!」をシャウトする。何度も聴くとそれが「0時2分」だと認識できるけれど、最初はすぐにはわからず、「れーじーにゔー!」を繰り返しているように誤解した。なにか外国の人を愛してて、その人の名前を連呼しているのかと思った。いや、完全に間違いなんだけれど。そんな誤解をしているようでは歌の世界に入り込んでいける訳もないのに、この曲にはめっちゃ入り込めた。それはボーカル竹田の歌が沁みるからだろう。トーンを抑えるべきところはしっかりと抑えて、シャウトするところではただ大きな声をだすのではなくちゃんと感情を込めたシャウトで。そんな感情あふれるパートでも演奏はとても抑制の効いた淡々としたもの。そういうパフォーマンスができるバンドは、たくさんいそうで、実はそんなにはいるものじゃない。
MVの冒頭、縦横比がかなり横長に設定された映像が映る。最近はこういう超横長MVも増えてきてるのでそんなに驚くことはない。ただ、最近はYouTubeの仕様が変わって、横長の映像はそのままのサイズで表示されることが多くなっている。縦横比2:7くらいの映像がそのまま表示されるとかなり驚いたりする。でもこれはそうなっていない。なぜだろうと思って見続けると、曲の途中で縦横比がどんどん変化していく。なるほど、この映像は黒い部分も含めて作られているのだ。面倒臭いことをやるな。だがすべての表現は面倒臭くすることで、見る側への印象を変えていくことができる。このMVの中にある縦横比にはいくつかのパターンがあって、おそらく、それぞれの縦横比には共通する意味があるのだろう。それが何なのかを解明するところまでは見てないけれど、バンドメンバーの演奏を映すところでは9:16のほぼほぼフルサイズといえる縦横比になっていることからも、やはりそれぞれの縦横比には意味があるんだと確信する。表現はもう出尽くしてて、新しいものを生み出すことなんてもう不可能みたいなこともよく言われるが、工夫の仕方ひとつで、まだまだ新しい何かを打ち出すことはできるよと言わんばかりで心地良い。それは端的に見える部分だけでなく、見えにくい部分での革新もたくさんあるのだろうし、このバンドとスタッフは、そういう新たなチャレンジをし続けているんだろうなと思えて、嬉しくなる。
(2019.10.8)
(レビュアー:大島栄二)
ARTIST INFOMATION →
このレビューは、公開されている音源や映像を当サイトが独自に視聴し作成しているものです。アーチストの確認を受けているものではありませんので、予めご了承ください。万一アーチスト本人がご覧になり、表現などについて問題があると思われる場合は、当サイトインフォメーション宛てに
メール
をいただければ、修正及び削除など対応いたします。