まなつ『夢でみたような』
HAIM『Summer Girl』
mekakushe
『うみのひ』
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うみのひって祝日の海の日のことだろうか。7月の第3日曜日が海の日で、小学校の夏休みになるかならないかくらいの頃。歌の中で「うみのひ エメラルド 飛び込んだら 冷たいかな?」と歌われていて、そうかな、まだ冷たいのかなとか思っちゃう。海っていつ頃が飛び込むのにちょうどいいんだろうか。場所にもよるだろうけれど、7月の3週目ともなれば、もう入り頃じゃないだろうか。浜辺で足だけを海につけるのと、飛び込むのとではまた違うんだろうけれど。
かつてヒロネちゃんだったシンガーがmekakusheとなって活動中とのこと。その活動すべてを追っているわけじゃないけれど、この曲の当たり障りのないふんわりとした感じは、ヒロネちゃんの頃ににじみ出ていたダークサイドな印象とは無縁のようなのんびりとしたもの。しかしながら、よくよく考えてみるとこの中で歌われている「飛び込んだら」というのは、海でのレジャー的なダイビングではなくて、悲しみの果てに身を海に投げる的な、最終手段的な色合いが感じられ、やっぱりダークサイドじゃんという結論に至る。いや、ダークだから悪いというのではなくて、ダークであることも、表現者の個性としてのアイデンティティとして、ちょっとホッとする的な意味合いの。しかし、身を投げるというのであれば冷たいとか関係なかろうと思うが、もしかすると最後の決断を躊躇させるのは、実際のところは冷たかろうという程度の、リアルな生に伴う苦痛への予期だったりするのかもしれない。そして、周囲をすべて悲しませるようなダークな願望というのは、案外こうしたのんびりだったりふんわりだったりする、なんてことのない日常の人たちの中に密やかに在ったりするんだろうよと考えて、ゾワゾワとする。
(2019.9.3)
(レビュアー:大島栄二)
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