鶴『バタフライ』
mekakushe『うみのひ』
まなつ
『夢でみたような』
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毎日のようにレビューをする中で、どの曲をレビューするかを決めるカギはジャンルや知名度じゃなく、勢い。特にロックやポップには勢いとかノリといった要素が重要で、それは誰かがプロデュースとか指導とかしたところで作り出すことができない、本人たちがそもそも持っている何かだったりする。言い換えれば天然とかいう言葉で表せるのかもしれない。この人たちってこれ好きだよな、そして好きだけじゃなくてそれ無しに人生なんて成立しないよな、みたいな。根っからのミュージシャンという感じの何か。このまなつというバンドにはそれを強く感じる。この曲、他の曲とどこが違うのかというと説明できないし、言ってみればありふれた曲で、誰かがこういうの作ってたかもしれないと思う。だけど、彼らがやればもう完全なオリジナリティの固まりで、ブッ飛んでいる。楽しそうだし、こっちも楽しくなってくる。他の凡庸なバンドといったい何が違うんだろうと考えてみても合理的な説明は難しくて、でも確実にブッ飛んでいる。勢いがある。テンションがある。すごい。すごいって一体なんだよ、レビューするということを放棄したんかといわれても仕方ないけれど、このMVをみたら勢いすごいなーと感じるのだから仕方ない。どこかのビルの屋上で楽器とアンプを並べて演奏シーンを撮影しているのだが、こういう場合ギターとアンプをコードでつないではいないことがほとんどだ。でも彼らはつないでる。足元にフットスイッチなど置かずにダイレクトにつないでる。カールしたケーブルがぶらんぶらんと揺れている。そういうところにもアホっぽい勢いを感じる。ドラムはバンバン叩いてる。もしかしたらギターもアンプも爆音で鳴らしているんじゃないかとさえ思える。周囲から苦情来るんじゃないか。でもそんなの関係ないよと構うことなく鳴らしているんじゃないだろうか。いや、わからんけれど、鳴らしてて欲しいな。まあそんなことはどうでもいいけど、このロックバンドとしての説明不能な勢いは注目に値する。これからもチェックし続けていきたいバンドが出てきたぞとワクワクしている。
(2019.9.2)
(レビュアー:大島栄二)
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