彼が亡くなり一年以上経つ。まだ信じられない気持ちはあるが、遺された曲がアルバムとなった。きっとこれが「最後の」作品。最終的な完成形までどのように至ったのかわからないが、紛れもなく彼の曲だ。EDM(今やこの括りも定義しづらい)は苦手でもAviciiの曲は好き、という人も多かったはず。カントリーテイストは代名詞の一つで、それ以上に、良いメロディで歌ものとして聴きやすい、という要素も大きかった。こちらは代表曲の「Wake Me Up」同様、Aloe Blaccが歌を担当している。切なげな曲調ながら、じんわりと温かみのあるボーカルが、未だ癒えないファンの悲しみを慰撫してくれるかのようだ。先日、Aloe Blaccの単独公演に行った。そこで彼はこの曲を歌ってくれた(もちろん、ほかの曲もすばらしい、最高のライブだった)。ステージ上にAviciiの魂が降りてきた、と思うのは、ずいぶんナイーブすぎる話だけれど、少なくともわたしは、ようやくAviciiとさよならできた、そんな気がした。