『街の案内人』
Queeness『Bohemian Rhapsody』
ユタ州
『虎と太陽』
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ほぼ3年前に
『27歳』でレビューしたユタ州
。27歳で夢を見ると高らかに歌っていたユタ州。彼らは何歳になったのだろうか。この曲で彼らは歌っている。「欲しかったものが何なのか今ではもう判らないまま、まだそれでも探している」と。「一体いつからいつまでが今日なのかも判らないまま」「待った無しのリセット無しの1日が始まる」と。底抜けなロックで歌われる彼らのストレートさ故に、忙しく生きている人にはどこか他人事のように思われるかもしれないが、言葉をひとつひとつかみしめるとその忙しい人にこそ届くべきメッセージのように思えてくる。SNSでかろうじて結びついているかつての同級生たちが、同じ教室に通っていたのに今では全然違うことをやっていて、あの頃に目指した夢をつかんだ人は1人でもいるのだろうかと時々思う。そもそも幼い頃に描いた夢なんて本当に目指すべきものだったのだろうかとも思う。だががむしゃらに向かってそれに近づいたと思う現在に幸せがあるのかというと、何が幸せなのかもよくわからずに、あの頃にリセットすることなど不可能な今が、また明日を迎えようとする。悩んだり後悔したりしながらも、前に進んでいくしかないのが人生というものなのだろう。そうやって遠くまで進んでいってしまっても、またいつかどこかで会おうということだけが約束なのだと歌う言葉にグッとくる。そろそろ友人だったヤツが1人2人といなくなってくる年代にさしかかるとなおさらだ。でも、僕は思うのだ。この曲で歌われている「生きてたらまた会えるかもね」とメッセージを送っている「キミ」というのは、誰か懐かしい友人ということではなく、あの日の自分ということなのだと。欲しかったものがわからなくなってしまったのに探している自分がもしあの頃の自分に会うことができたなら、それが何だったのかを思い出すこともできるのかもしれない。今さら思い出したとして、今の自分に役に立つのかどうかは別として。
(2018.12.21)
(レビュアー:大島栄二)
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