Justin Timberlake『Filthy』
Franz Ferdinand『Always Ascending』
バウンダリー
『タイマー』
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先日musiplの代表メアドにメールが来て。コロムビアの人から今後情報をお送りしたいと。情報を送ってもらえるのはありがたいことなのでどうぞどうぞと。ただ、送ってもらったからといって全部レビューする訳ではないですよと伝えて、もちろんですと確認してもらって。そしたら早速送ってもらった新譜情報が。どれどれ、どんなのを送ってくれたんだろう、ショボいのだったら絶対に掲載しないぞ、と思ってたら、バウンダリーのMV解禁情報だった。おお、メジャーになったのかバウンダリー。でもコロムビア本体ではないような気もするが、まあいろいろあるのでしょう。
バウンダリーは約2年前にレビューしてて、それめっちゃカッコよかったのでディスクレビューコーナーをmusipl内に立ち上げたほど(その後あまり稼動していません。今後頑張りますっ)。で、偶然にも昨年11月に公開されていたMVをレビューしようかと準備していたところだったので、それは是非この最新のやつをレビューしましょうと(思っただけで、コロムビアの人に伝えてはいませんが…)。
2年前のレビューでは「このボーカルには適度なささくれがある」と書いている。ささくれのような特徴といったものは、メジャーでレコーディングをすれば丸められることがよくある。それは刺の無い音楽が良いと思い込んでいるプロデューサーがそう強いることもあれば、体裁を整えた方がいいのではないかというアーチスト側の無意味な思い込みによってそうなることもあって、そうなってしまうとインディーズの頃とは印象が変わってしまって、場合によっては過去のファンが全員去っていくという事態も起こる。今回約2年ぶりに新曲を聴くと、彼女たちの良い意味の適度なささくれは失われていなかった。嬉しかった。声の特質というのは歌モノの音楽にとっては生命線のようなものであり、それが武器になるのであれば一生モノの武器であり続ける。もちろんそれだけに頼ってあぐらをかいているのではダメだし、音楽性やパフォーマンスでの成長と革新を続けていかなければいけないのだが、それは大前提だとことわった上で、やはりこういう声は武器であり、宝物なのだ。
昨年公開したミディアムテンポの「ハッピーエンド」やアップテンポな「明日」にはバンドとしての前に前にという姿勢が感じられたし、それは若いバンドとして当然の意欲や勢いそのものであって、未来を見据える強い力を感じていた。でもこのスローテンポな「タイマー」では彼女たちの過去を見つめなおす、一歩立ち止まろうとする意志が感じられた。それが却ってさらに前進するぞという強い想いのようで、たくましいなという気がする。
(2018.1.23)
(レビュアー:大島栄二)
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