KICK THE CAN CREWも再始動するみたく、私的に、彼らのリアルタイムな印象では毀誉褒貶を受けながらもストリートから、また、ヒップホップを大衆性の真ん中に、ポップネスの中に溶かしながら、肥大する商業主義の中でひたすら闘いながら疲弊していったような感じが強い。きっとリリース・ペースや求められるものの大きさがありすぎたのだろうか。
その後、ソロでも特に大きくブレイクするKREVAの在り方、またメンバーのMCU、LITTLEの堅実な活動を思うと、この“三人”でまた始める曲がこういうもので良かったと思う。「イツナロウバ(It’s Not Over)」のバレアリックな開放感が好きだった身としては、彼らは夏休みや遊びの延長を生きるグループだった気がして、巷間でも有名な山下達郎の佳曲をサンプリングした「クリスマスイヴRap」や「マルシェ」なども含め、刹那さへの覚悟さえがよぎるその後の流れの凝縮された活動は改めて聴き直してみると、過剰で、でも、今はもっと過剰で、消費される勢いも早いので、まだいい時代だと言えば言えるのかもしれない。