パロディーでもネタ元の詮索やパクリでもなく、2017年のセンスでロマンティシズムの機微を音楽でリプレゼントしてゆくevening cinemaのポップなたたずまいは嬉しい。サチモスのクールネスの膨大な層への受け入れられ方や、Yogee New Waves、never young beach、さらにはLUCKY TAPESなどユーフォリックで軽やかで慕情を含んだポップネスが20代半ばで共振している健康な切実を想うと、まだまだ過剰でマッシヴなものが目立つ瀬でも、テンポを落とした風情をおくりこんでくれるような気がしてわるくない。