モービーが怒っている。新作発売前からそんな噂は聞こえてはいたのだけれど、本当だった。この曲は最初からアッパーで攻撃的だ。快適で多幸感あふれる曲のイメージが強い、モービーらしくない。どうやら(簡潔に言うと)現代社会に対する怒り、を表しているらしい。何しろアルバムタイトルが「These Systems Are Failing 」。システムが壊れかけている、ってことでいいのだろうか。アルバム全体が、衝動的というか、もはやパンクと呼ぶしかない、と思うのだけれど、アグレッシブな曲ばかりがずらりと並ぶ。あのやさしかったあいつは、一体どこに行っちまったんだ。そんなドラマティックな心情になるもよし、モービーの怒りに共感するのもよし、政治的メッセージには距離を置きつつ、ただテンションの上がる曲として乗るもよし。この「衝動」を吐き出したあと、元のモービーに戻るのか、まだまだ怒りは収まらず、さらに攻撃的な姿が見られるのか、この先も注目せずにはいられない。