bonobosも実に、活動15周年。しっかりとした文脈の上で、この2016年にブレずに在る。マイペースに、当たり前にそこに居たようなバンドのひとつで、また、同時に、メンバーの脱退や変遷を経て、約2年振りの作品では彼らの人肌通う空気感と、アーバン・ソウルの彩りをなぞり、更に世界中に継承されてきた音楽的要素を並列に越えながら、彼らの過去の曲名「Thank You For The Music」というエコーの中に包み込まれる歳月を重ねてきたがゆえの軽やかさが込められていて、特にこの曲は美しく渡世の果敢なさを攫う。スムースで、本当に悪くない。なにかと再評価され続けるフィッシュマンズと比較された時期もあったが、彼らは彼らの温度でクルーズを進める。