zabadak『遠い音楽』
nothingman『ocean』
せりかな
『風になって』
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さわやかである。この人のことをよく知っているわけではないが、見ていて聴いていて爽やかで清々しい。特に大きな事務所に所属している形跡も見えず、1人で(もしくはそれに毛の生えた程度で)活動しているのだろう。地味に、だけどできる範囲のことは着実にやっていて、こういう活動ができている人のことはそれだけで見ていて気持ちがいい。歌が上手いとか演奏がどうだとか、そういうだけなら世の中に掃いて捨てるほどいる。だが、「おお、頑張ってんな。こんなに頑張ることができるんだ」と思える人は意外と少なくて、だからそういう人に出会うと、同時代に息をしているということだけで嬉しくなったりする。表現者が共感を得るというのは、そういう側面も少なくないだろうと思っている。彼女のMVや他のライブシーンをいくつか見渡すと、フルバンドサウンドで歌っていることもあるし、1人でステージに立ちながらそのバンドサウンドをオケで流してギターと歌を重ねるということもある。それはその場の環境と表現手法の選択なのでどれが良くてどれが悪いというものではない。でも、こういうギターの生音と歌だけというシンプルなスタイルとサウンドが、彼女の活動スタイルと重なって、共感を覚えるし、頑張ってねと言いたくなる。偶然にもこのレビューを公開する7月11日に渋谷のタワレコで初のレコ発イベントがあるという。頑張ってねと、ついついエア応援したくなる。そこでオケを使うかどうかなどはどうでもいいのだ。
(2016.7.11)
(レビュアー:大島栄二)
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