ぼくのりりっくのぼうよみ、の佳さはシェルターの中で言いたい放題で完結するのではなく、「個」から井戸の奥で普遍性に繋がるというアフォリズムも軽くかわして、MVや言葉の端々から痛烈な政治性を感じるところにあると思う。自身もちゃんと傷つき、その分、あまりある優しさが胸にせまることが大きい。Shing02やTha Blue Herbの時代と違う、KREVAを経てもと思うが、このドリル状に巻くしたてられる言の葉の数々と、その意味が昇華されるのか、視えないがゆえの美しさ、その一秒前に絶望していても、一秒後にはちょっとはマシかも、みたく、その間を躁鬱的に行き交うステップがあまりに鮮やかだ。