Digitalism『Go Time』
かたすみ『壁の中で会いましょう』
Libstems
『Initial Lies』
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進化系のジャズってなんだろう。ジャズに限らず音楽に限らず、あらゆるものは時代とともに進化するのだと思うし、だからジャズだって当然進化系でなければならないと思うのだが、一方でジャズファンが念頭に置くのはどうしてもアナログの時代のスターたちの演奏だという現実もある。スタンダードナンバーを多くのジャズミュージシャンが奏でる。今でもアナログを鳴らすバーには人が集う。ロックバンドたちが常に新しい表現を求めて、そういう姿勢をリスナーが支持したのには、ロックというものが持つ革命性、オリジナリティへの崇拝があったのだが、一方で他のジャンルでは過去への偏った尊崇の念が、新しい音楽へのチャレンジを阻害してきたように感じている。無論、過去のスーパースターの演奏は良い。だが、それが後進のチャレンジの足枷になるのなら、それはいかがなものかと正直思う。一方で、音源を売るということからライブを聴かせるということに音楽のビジネスモデルは変わりつつある。その功罪は様々あるだろう。だが、音源での勝負であれば過去の名盤と戦わなければならない。それは今を生きるミュージシャンにとっては厳しいハードルでもある。しかしライブでの勝負なら、現役の人とだけ戦えばいい。それならば過去の亡霊と苦闘する必要は無い。別にいい加減なライブでOKということではなく、理不尽な足枷から解放されるということだと思う。過去のあの人を超えるためにどうこうと考えてしまうとどうしても自らの表現に制限が加わるし、その制限の下に生まれる新しい表現って何なんだろうと思うからだ。そういう意味でも、自ら進化系のジャズと銘打ち、自分たちの表現を過去との比較から解放するというのは策として意味があるように感じる。それが進化したものであろうと突然変異の新種であろうと、そんなことはどうでもいい。大切なのは、彼らが生きたミュージシャンとして演奏する場に満足が存在するかどうかだ。これは動画であって生ライブの場ではないけれども、13分という長尺の動画が長いとはまったく感じない、清々しさがある。機会があれば、見に行くと楽しいだろうなあと思う。
(2016.5.19)
(レビュアー:大島栄二)
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