White Lung『Hungry』 Next Plus Songbanri shiraiwa『天気雨』

雑魚猫タワー
『おわりの予感』

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 若い人におわりの予感なんていわれるとなんだろうと心配になる。それがこんなにもか細い声で静かに吐くように歌われるとなおさらだ。何が終わるんだろう、終わるって何だろう。では続けばいいのか、それもきっと違うのだろう。若い頃には誰もが悩み、希望を抱くと同時に逆のベクトルの感情にも苛まれる。ある程度成長すればそれをただ蒼っちいと笑うことも出来ようが、自分が子供を持つようになると、今度はその蒼さが更なる心配になる。自分のことならば自分でコントロールも処理もできるが、自分の分身のことは自分ではコントロールなど出来ようも無いからだ。若い人の自分との真摯な向き合いは、大人にとっても我がことのような切実さを持って響いてくる。無論それはその向き合いが真にリアルな場合に限られるし、大人の側にも人生との真摯な向き合いが要求されるのだが。奈良県出身の雑魚猫タワーのこの曲は、静かに沁みる。こんな感情が自分にもあったなと思い出させてくれる。
(2016.5.5) (レビュアー:大島栄二)
 


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