Underworld『I Exhale』
ペイジ『ひとつのせかい』
余命百年
『バタフライ』
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ロングヘアーの人が歌っている。男だ。たぶん男だ。いや、確実に男だ。なのにこの目もとのアップ、カメラを見つめるアンニュイな視線。厚ぼったい唇。なんだろうねこれ。フェミニンにも程がある。オカマの人が一生懸命メイクをしたのとかとはまったく違って、多分スッピン。長い髪も手入れをした感じのアレではなくて、一応切るけどボサボサの、男のロッカーだからそれは当たり前なのだろうけれど、ハードロックのバンドマンたちがロン毛で活動しているのとは明らかに異質な、ナニコレ感。いや、バンドなんだから曲や演奏をどうこう言うべきだとは思うけれども、どうしてもそういうところに意識が持っていかれてしまう。この曲は全体的にキーが高いというか、だから声質も一瞬「女性ボーカル?」と思っちゃったりもするけれど、
他曲のMV
ではもっと低いキーでズシンと歌っている。んでこんなにロン毛じゃなくて普通の男子ヘアだし。それでもカメラをずっと見ている視線は同じで、やっぱこのボーカル自分のルックスを意識してんのかなとはちょっと思う。いずれにしてもこのゆったりとした浮遊感溢れるテイストや、
別曲
にあるような深海に沈んだような重々しさなど、このバンドの引き出しはたくさんあって面白そうだぞと期待感高まる。余命って言葉を聞くとすぐ死んじゃうのか的な悲壮感が頭をよぎるけれど、余命百年って、そりゃ普通の人の寿命より長いよね。お願いですからそんなロングスパンでゆっくり成長するのではなくて、1〜2年程度でドーンとブレイクしてくださいませ。
(2016.3.17)
(レビュアー:大島栄二)
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