Maika Loubté『Universal Metro』
Kula Shaker『Infinite Sun』
カーテンズ
『傘はいらない』
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旧い世代にとっては傘の歌というと「傘がない」だろうか。そこでは雨が降ることをひとつのハードルとしてとらえ、それでも「君」に逢いにいかなくちゃと歌われる。世の中のどんな問題よりも大きな障害として雨が降っていることを問題視し、それでも俺は行くのだと歌われる。あれは何の歌だったのだろうか。単なるラブソングだったのだろうか。今になって聴き直して、わからなくなる。このカーテンズという2人組が歌うこの曲では、傘はいらないと歌われる。近頃は雨だけど傘はいらないよと歌われる。いっそのことバケツをかぶりたい気分だと歌われる。君と2人傘もささず歩いたと歌われる。この爽やかさは一体なんだろうか。聴いていてとても爽やかな気分になる。この曲はラブソングなのだろうか。それとも社会的な何かを歌っているのだろうか。よくわからない。歌にはいろいろな意味があるし、聴く人によって解釈が違ってきて当然だ。僕が傘つながりで2つの曲を比較してみるのもかなり安直だし、比較することに意味はあるようで、実際はまったく無いのだろうとも思う。彼らの曲は他にもいくつか公開されていて、この遠景のライブ動画とは違う、カフェのテーブルで歌っているような動画を見ると2人のギタープレイがよく見える、よくわかる。2人の飄々としたプレイスタイルは彼らの音楽性とリンクしているのだろう。とかなんとか、そんなことを考えることに意味はあるのかと言われればきっと無いのだろうと思うのだけれども、考えてみることは誰にとっても自由なことだよ。そしてこんな歌を好きだと言うのも、自由なことだよ。
(2016.3.8)
(レビュアー:大島栄二)
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