活動停止があれば解散もあるわけで、解散があってもまた再結成がある。年明け早々に突如発表されたイエモンの再結成。今のところ10会場20公演のライブツアースケジュールが発表され、それに伴いファンクラブの発足がアナウンスされた。イエモンが活動していた90年代半ばとは、BOØWYもすでに解散し、THE BLUE HEARTSも実質活動を終えていて、同時期の人気バンドとしてはJUDY AND MARYなどかいた、世代がひとつ交替した頃だといえる。僕にとってイエモンというと、渋谷のライブハウスLa-mamaにポスターが貼られていたなあという印象に尽きる。実際にそこでの活動は終わっていたのに、彼らのポスターは長いことLa-mamaの壁に、入口階段の天井に貼られていた。彼らとLa-mamaのつながりは特別なものだったのだろう。無名時代からの彼らの努力と、有名になってから活動停止までの彼らの活動と、どちらがヘビーだったのだろうか。売れてきてから初めてぶち当たる壁や悩みというのは常人にはなかなか理解し難く、多くのファンが惜しむ中、空中分解するように彼らの活動は停止していった。このライブ映像は実質的な彼らのラストライブとなった2001年の東京ドームライブのもの。未来のバラ色の日々を夢見た歌と、過去のバラ色の日々を懐古する歌とでは意味合いも違うのだろう。この曲は結構ドロドロとし始めた頃に作られた。そういうことからも、そして歌詞からも、バラ色の日々が指と指の間からすり抜けていくもどかしさを懐古していたのではないかと思われる。そこから15年。イエモンの新しいTwitterアカウントには最初の投稿から10時間で18000人を超えるフォロワーが集まっている。いまだに待っているファンは多いのだろうし、それがビジネスになるという関係者の思惑もあるのだろう。当時のドロドロとして活動を休止させた何かはこの15年で浄化されたのだろうか。浄化されて笑顔でイエモンはステージに現れるのだろうか。その浄化されたイエモンとは、15年前のファンが活動停止を惜しんだイエモンなのだろうか。もうそれ以上は問うまい。伝説をもう一度と願うファンと、それに応えようとする関係者の苦労と。願わくばそれが若い音楽への何かとしてプラスに働かんことを。