Behaviors『Don't Fight It』 Next Plus Songハッチズクローバー『スウプ』

Grimes
『Flesh without Blood』

LINEで送る
 昨年度のベストアルバムは何だったか考えると、結局のところ、最後にGrimesが持っていった、と結論づけてもいいのではないだろうか。この突き抜けぶりはすさまじい。躁状態のポップさの中に、悲喜こもごも、さまざまな感情が詰まったような曲満載のアルバムで、それを象徴する2曲がまとめてPVとして公開されている。そこに映る彼女の姿や佇まいもまた圧倒的だ。カラフルで、ポップで、それでいてどこか不安定。この先の展開にはいったい何が待っているのか。それをどう表現していくのか、いつまでこの躁状態が続くのか。聴いている私も期待と不安が入り混じった、両義的な感情に揺さぶられる。この曲を聴きながら、私は何故だか、とても悲しい。とても苦しい。これもまたポップスの魔法の一つで、心をわしづかみにする分、その強度によっては痛みも伴う。それはこのようなむきだしなポップでしか味わえない快楽だ。やはり2015年のベストはGrimesだと強く推したい。
(2016.1.6) (レビュアー:夜鍋太郎)
 


  ARTIST INFOMATION →
         
 


 
 このレビューは、公開されている音源や映像を当サイトが独自に視聴し作成しているものです。アーチストの確認を受けているものではありませんので、予めご了承ください。万一アーチスト本人がご覧になり、表現などについて問題があると思われる場合は、当サイトインフォメーション宛てにメールをいただければ、修正及び削除など対応いたします。