北航平『endless cycle of rebirth』
Girl Band『Paul』
谷口深雪
『はじまりの色』
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美しい歌だ。おおらかというか、たおやかというか、歌い手の肺の中にすべての感情を詰め込んで、一気に吐き出す6分間があるのなら、それはきっとこういう歌になるのだろう。ギターであれピアノであれ、弾き語りの人の歌を聴く時に音の厚みが足りないと感じることは多々あるけれども、それは音の厚みが足りないのではなく、歌のリアリティが足りないのだということに、こういう歌を聴くと気付かされる。ここでいう歌のリアリティとは、歌詞がどれほど具体的かなどということとはまったく関係がなく、いや、むしろ歌詞が具体的でもなく曖昧で理解不能なものであったとしても、歌そのものの存在感がリアルに心を揺さぶるといったことを意味する。例えて言うならばその言語を解しない外国語の歌を耳にしたとき、意味など関係なくそのパフォーマンス、ひいてはアーチストの歌唱の凄さだけで引き込まれて涙することがある。それが、リアリティのある歌ということだ。この谷口深雪さんの歌にはそれがある。ピアノの音を伴っているが、アカペラだったとしても聴き惚れてしまうだろう。いや、そんな言い方は失礼なのかな。鍵盤の表現力も、歌詞もメロディもステキなのだもの。
(2015.10.27)
(レビュアー:大島栄二)
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