Ezra Furman『Restless Year』
Microglobe『High On Hope』
Elvis Costello
『Oliver's Army』
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ポップミュージックはただ単に明るく楽しいというだけではなくて、時として強烈な主張をサラリと表現するためにも使われるスタイルだ。だがそれは表現者の卓抜した技量と、受け手の高い理解力が必要とされる。このエルビスコステロの初期の曲は、彼がベルファストで軍服を着て自動小銃で武装している少年たちを見かけたことから着想されたという。階級社会の大英帝国では、労働者階級の若者が仕事を探して軍隊に入るという構造があり、徴兵をしなくとも軍隊を組織することは可能で、それは今も変わることがない(それでも第一次大戦と第二次大戦時には徴兵制が実施されたのだが)。社会の矛盾的状況に怒りとポップネスが加味されると、こんなにあっけらかんとした旋律が生まれるというのがなんとも興味深い。それでもイギリスが戦争を始めるとこの曲は放送禁止になるそうだ。
翻って今の日本。昨日の国会での採決が向かう先はどこなのだろうか。そんなことを考えながらこの曲を聴くと、やはりうーんそうなのか、そうかもしれないなと暗鬱な気分に苛まれる。
(※2018.1.31時点で動画が削除されているのを確認しました。レビュー文面のみ残しておきます)
(2015.7.16)
(レビュアー:大島栄二)
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