Turntable Films『Misleading Interpretations』 Next Plus SongSurfer Blood『I Can't Explain』

かけらライオ
『Shooting Star』

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 東京に行かなければ何も始まらないと思う人はたくさんいるが、一方で東京などに行かなくてもいいと言う人も多い。音楽活動をはじめる時にとりあえず今いる場所で始めるというのはおそらくほぼ100%のスタートの在り様だと思うが、その中でやがて現状に不満の壁を見るようになって拠点を変えたいと、変えることで現状を打破できるのではないかと思うようになる人と、辿り着いた現状こそ等身大の安住の地と思い込める人とに分かれるのだろう。仙台を拠点に活動するこの男女ユニットはどのような想いで今仙台にいるのだろうか。ロックバンドのような先鋭的ななにかもなく、売れっ子アイドルのようなルックスともいえず。おそらく売りはボーカルのこのコケティッシュな声なのだろう。そしてそれだけで十分に武器になる。だがそれ以上に、この2人には満ち足りたなにかを感じて、ハッピーな気分にさせてもらえる。クラスの中に圧倒的なマドンナ的存在がいて、それ以外は全員そのマドンナに憧れていると、そのクラスに幸せなどは存在しなくなってしまう。だがそこに「アタシはアタシ、それでいい」と宣言する女子が現れて、そんな「アタシ」がいいんだという男子が現れてくれば、多少なりとも絶対的な幸せがそこに生まれるんじゃないかと。そんなハッピー。いや勝手な妄想だが。「無いものを待ち続けて消えるものに託すのは/夢なんかじゃなくても欲張りなイミテーション」と歌うこの曲はまさにそういう幸せの象徴のように思えてくる。仙台の地で、現実をつかみ取っておくれと、願いたくなる。
(2015.6.9) (レビュアー:大島栄二)
 


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