天才バンド『君が誰かの彼女になりくさっても』 Next Plus SongAqualung『Eggshells』

Hiplin
『LittleBaby』

 関西でソウルフルに歌っているこのシンガーの歌が心地良い。特にメッセージがあるとか無いとか、そんなこととはまったく無縁に、歌声が心地良い。歌声も含めてサウンドとして部屋で鳴っているときっと気分良いだろう。そう、CDを買って聴くというのはそういう楽しみなんじゃないだろうかと今さらながらに思ったりする。時代を切り取ったり、そこに潜む問題点をえぐったり、愛や恋や好きやはれただの、そういうことを歌って伝えようとしなくても、いや、歌ってもいいんだけれど、そこにそういう意味があるとか感じさせずにただただサウンドとして響いてきてリラックスさせてくれる。アンビエントミュージックというのはそういう役割を担っているんだと思うけれども、ボーカルがメインなのにただただサウンドとして存在感を発揮しているというのは、かなり貴重な存在だと思う。いやもちろんこの曲はLittle Babyに対しての想いを歌っているのだけれど、そんなのどうでもいいじゃないか、というより前に、そんな歌だったっけという気持ちが強い。彼はギター弾き語りもしていたりするけれども、この曲このバージョンはバンドサウンドになっていて、よりサウンドとしてのまとまりがあって好き。こういう丁寧な音作りは、目先のセールスとはまったく関係なかったりするけれども、きっと彼の未来を形作るベースになるのだと思う。
(2015.3.10) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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