REBECCA『PRIVATE HEROINE』 Next Plus SongOimio『つみき』

リアクション ザ ブッタ
『君へ』

 似てる。誰もが知ってる国民的バンドに歌い方も曲調も。僕のレーベルにもデモがたくさん送られてきて、結構な割合で「似てる」バンドが含まれている。そういうバンドをどう解釈すればいいのか、評価すればいいのかということは本当に難しい。単なる憧れを持っているうちに自分というものが見えなくなってしまうということは多く、その結果誰かの真似をしているということにも気がつかないというケースもある。そこにはオリジナリティは存在しない。一方でその誰かと声質も思考も偶然似てしまい、結果的に似てしまうということだってある。でも、それだけではない。すべての文化や表現というものはまったく何の影響も受けずにただオリジナルなものとして突如出現出来るのかというとそれも違うわけで、だから最初は模倣でやっているうちに徐々にオリジナルなものを生み出していけるのであればそれはやはり真っ当でステキな文化へのアプローチだという気がする。その観点からいえば、似ているというのはプラス評価こそされても決して非難されるべきではない。例えば矢井田瞳などはデビューの時に椎名林檎に似ているとさんざん言われた。でもその後2人の表現はまったく違ったものとなっていった。あの時に似ているといって潰していたらどうだったのだろうか。似ていると揶揄する側の審美眼がボケているために違いに気がつかないという可能性だってある。やっぱり判断は難しい。それに、もし似せようと思ったところでそう簡単に似るものではないのであって、だとしたらここまで似ているのであればそれはそれで素晴らしい技術だと賛辞を贈るのが正しいような気もしてくるのだ。
(2014.12.22) (レビュアー:大島栄二)
 


   
         
 


 
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