ryohadano『4月』
別野加奈『濾過装置の悲しい仕組み』
Artrandom
『小さな恋の物語』
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最近はピアノロックというジャンルが形成される程にピアノをフィーチャーしたバンドがたくさん出てきている。そのほとんどは通常のボーカル+ギター+ベース+ドラムのギターの役割をピアノに置き換えているもので、しかもギターもいるバンドも多いので、ただ音がガチャガチャしているだけというケースも少なくない。Artrandomのこの曲では鍵盤を弾くボーカルのシーンから始まって、そのまま2分過ぎまで歌と鍵盤の音しか鳴らない。メンバーの姿も映されるがいずれも楽器をただ持っているだけで、1番をその弾き語りで通してしまう。テレビ番組に出演して「1コーラスだけね」と指定されたら、メンバーはただそこにいるだけということになってしまうのではないだろうか。実際AMラジオで流されたらリスナーは鍵盤ソロシンガーだと錯覚するだろうし。プロモーションの中心がネットに移ってきた時代ならではの曲構成だと思ったりする。まあそういう業界人的な心配はさておき、独特の跳ねるリズムで貫かれたシンプルなバラードは、もの悲しいエモーションを掻き立てる。意識して聴かないと1コーラスが鍵盤だけしか鳴っていないことに気付かないほど、曲そのものに聴き入ってしまう。
(2014.12.6)
(レビュアー:大島栄二)
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