ウソツキ『金星人に恋をした』
peachonfuse『Living』
くろみつときなこ
『足し算のレシピ』
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こういう声は、いつの時代にも一定層のリスナーを惹き付ける。近年では土岐麻子や羊毛とおはななどがその声のカテゴリーだといえるだろう。特徴的な声のボーカルは特徴的であるが故に目立ち、音楽性などは脇に追いやられてただただ声だけを評価されていく。彼らくろみつときなこについてもやはり声に耳が行くし、2人ユニットなのにステージでは他のメンバーがサポートに入って、一体彼らのサウンドとはどこまでを指すのかが少々不明だから、やはりサウンドのことはバンドの特徴としては評価しにくい。評価しにくいというのは「ダメ」と評価するということとは違っていて、明確に彼らだけのサウンドを規定するのが難しいということだろう。ただ、いくつかのライブ映像から見えてくるのは、サポートする演奏家もかなりの実力を持っていて、リズミカルなこの歌を支えていたり、
「アクアリウム」
という曲では本当に深海にいるかのような非日常空間のテンポを実現したりしていて面白い。そういうのを見ると、バンドという形を規定すること自体に意味など無いのかもしれないと感じたりする。核となるものがあって、それに付随していろいろなものが集まるのがバンドなのかもしれない。それは例えばビデオを作るスタッフやメイクをするスタッフ、プロモーションや営業をするスタッフが集まって、総合的な作品としての音が生まれるような。バンドはもはや映画チームのような、一夜一夜の偶然の融合体という認識で見るのがいいのかもしれない。
(2014.11.27)
(レビュアー:大島栄二)
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