踊ってばかりの国『東京』
0.8秒と衝撃。『ARISHIMA MACHINE GUN///』
Four o'clocks
『朝の恋人』
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先日、個人的事情で病院に入って、これまでフラットに対峙していた音楽が聴けなくなり、書籍も専門書よりも天文学、元素記号のような自身に無関係なものばかり読んでいた。でも、病院食は悪くないのと同じくして、彼らの音楽もすっと喉に、感覚に入っていった。脳裏をよぎったフィッシュマンズが愛され続ける理由や、昨今のシティ・ポップについては論考を改めたいと思うが、似たフィーリングがFour o’clocksにもある。適度に現実から浮遊した感覚と、柔らかいサウンド・アトモスフィア。悲しくも聴こえるときもあれば、どうしようもない優しい彼岸性に救われもする。過去に、小沢健二が「天使たちのシーン」という曲で〈いつか誰もが花を愛し歌を歌い 返事じゃない言葉を 喋りだすのなら 何千回ものなだらかに過ぎた季節が 僕にとてもいとおしく思えてくる〉と歌っていた。返事のような言葉ばかりが溢れる中に、朝に恋人と過ごす果敢ない時間とはこれくらいのリズムでもいいのではないだろうか。そして、季節が変われば、着る服に困れば、アイス・ティーじゃ合わなかったりもする。そこで、でも、取り残された感情は消えない。
(2014.9.29)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
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