bandneon『10秒だけ待ってやる』 Next Plus Songおい、そこの道あけろ『中央線』

古宮夏希&コークスが燃えている!
『もう少し』

 GS的なサウンドやいささか不安定なコーラス・ワークが妙に心地良くも、レトロスペクティヴというのではなく、何らかのカウンター性としての現状や音楽シーンへの苛立ちみたいな感情が毅然とうかがえる。誰かの音楽を通じて、聴き、感応する行為は個々それぞれのもので、各自解釈は何百通り、何千通り以上あってもいいと思う。それでも、同調圧力的にひとつの音楽を巡って、多くの人たちが縁で差異を確かめ合うことも増えているといえなくもない。無論、“これを知っている(分かる)自分が~”という自我の底上げの中でのテーゼを触れたいのではなく、自/他を分ける分線とはそんなに極端なものなのだろうか、という簡単な問題。彼らの歌を聴いていると、「ぼくら」というロック・ミュージックのクリシェが出てくるが、「ぼくら」の内部にしっかり“ぼくと、あなた”が分け隔てられながら、収斂しているところが説得力を持っている。
(2014.9.19) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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