ひらくドア『ミニアルバム』
ヘクとパスカル『風が吹いてる』
piana
『I Think...』
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彼女の「声質」の冷やかさには、皮膚感覚下に黙認され得るなにかがある。想うに、ダウン・ビートに合う声の肌理(きめ)という理論性だけではなく、例えば、過去にポーティスヘッドのべス・ギボンズの存在を生で体感したときに伝わってくる何かとは深いブルーズでも沈鬱さでもなく、寧ろ清々しい澄み渡った名残だった。客演、CMでは声そのものはよく耳にしていたが、ソロとして4枚目のアルバムが実に7年の歳月を経て、届き、筆者は改めて彼女の声から拡がる想像力とチルアウトの先の余韻を噛み締めている。二次加工の施されたクオリティの高いものもラフな音楽もいいが、こういうシンプルなアレンジメント、と冷やかな声だけで成立している楽曲も喧しい瀬に、聴き手を寧ろ突き放さず、包み込む気がする。
(2014.7.29)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
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