たとえば、夏にビーチに行けば、よくJ-POPに混じって、アグレッシヴで少し軽薄なダンス・ナンバーが流れていたりする。想えば、90年代末にビッグ・ビートという括りで、世界各地でファット・ボーイ・スリムやケミカル・ブラザーズが流れていたのを覚えている人もいるかもしれないし、後追いで、ファッション・ショーなどで“大きな”音楽を聞いたり、体感した人もいるかもしれない。この日本のBoys Get Hurtは、その位相と似て非なる、意味や虚無的な何かを真正面から突破するダイレクト性を備えながらも、緻密なセンスで今の時代に相応しいトラック・メイキングで、ダンス・ミュージックとして快楽的に、ヘッド・ミュージックとしても心地良く響いてくる。休日、移動中、ビーチ、ドライヴ中、色んな状況でもこういった煌びやかなサウンドに何もかも一旦、置いて、ひたるのもいいのではないか、と思う。