THE BUNNIES『Darkness』 Next Plus Songyojikとwanda『閉鎖されてた』

tonco
『台所と夕暮れ』

 剥き身で、生身の表現に対して過剰に評価がされる瀬があり、今のメディアは衒いなく、毒を吐くことや正論を言うことに麻痺させてしまうかのような磁力がある。“歌心”とは、この時代に求めるには加工されてしまうゆえに、現場での一回性に求めるだけでは事足りなくもある。ただ、“歌わなければいけない”人の声はわかる。この彼女の声の背景には、多くのミュージシャンの参加とともに、途絶えない音楽の轍をひとつひとつ確かめてゆくような芯の強さがある。その結果として、冗長なキャッチコピーを抜けて、清冽に存在が響く。声がぼやけても、存在が響けば、それは伝わる。新作も美しいが、過去のこういった音楽の合間に宿る、日々に添う音楽の原性を感じてほしいとも思う。いつもすぐそばに、音は、声は幻じゃなく優しく靡いている。
(2014.7.2) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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