ハルカトミユキ『その日がきたら』
THE BUNNIES『Darkness』
KIDKANEVIL ft. PHASMA
『INAKUNARU』
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クロスオーバーの良例とは、とよく考える。このUK、ヨークシャーのサウンド・プロデューサーKidkanevilの4年ぶりとなる作品もようやく日本盤としてリリースされた。もう知っている人も多いかもしれない、架空のアニメのサウンド・トラックとして、“TOKYO”にフォーカスをあてており、しかも、ゴースト・チャイルドの視点を持ち込み、カラフルでリズミカルな電子音をベースにキュートな色彩を描いたIDM作品。このMVでは、日本のヴィジュアル・アーティストTAKCOM.を招聘し、Phasmaの加工された声に「コノセカイカライナクナッタラ、サビシイ」といったフレーズなどがやや強引にアダプトしてくる、とても“現代らしい”曲とも言える。正直なところ、トラックと声の縫合性に齟齬が感じるが、何だかその居心地の悪さ―つまり、言語の音楽の関係性を考えるにしては、新調した眼鏡をかけたときに視界にうまくピントが合わない奇妙さ、とじわじわと癖になる異化作用を思えば、反転的な快楽も喚起せしめる。
(2014.6.30)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
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